流石の黒澤作品
人間をここまで理解できて、表現できる監督は彼以外にはいない
人間には強欲で嫉妬深い一面が存在する
自分の欲を抑えきれずに行動することで、いとも簡単に他人の人生を「乱」すことができる
時には三郎のような本当に善い人間や、鶴丸のような赤の他人の人生まで「乱」してしまうこともある
欲というのは十分な凶器である
そして欲は世界を回り回って止まることなく連鎖し、遂には自分の身に降りかかってくることもある
あな恐ろしや
カラーの黒澤作品
黒澤明といえば白黒なので、こんなにも色の使い方が上手いとは思ってもいなかった
目まぐるしく変化する秀虎の立場と、変わらず派手な秀虎の衣装、焼けた大きな城と小さな秀虎など絶句するほどの哀愁を漂わせるカットや演出が魅力的
セットから舞台から衣装まで、何から何までこだわり抜かれているのがひしひしと伝わってくる