乱の作品情報・感想・評価

「乱」に投稿された感想・評価

馬や人がCGではないので、現実の迫力があります。またストーリーも分かりやすく面白かったです。
黄、赤、青の色と太郎、次郎、三郎の名前の分かりやすさよ。
更に誤解されやすいけど実は1番親思いで賢い末っ子という、これまたかなりベタで単純明快な設定。
でもこれがストーリーの暗さとバランスが取れております。
画面的な迫力もやっぱり魅力で、
城が燃えてるとことかやっぱ凄いし
大軍がウワーッと押し寄せる感じとか山の上にゾロゾロと現れる感じが本当ワクワクする。やっぱCGじゃ出せないものってあるよね。

ただ、俳優の演技がみんな大げさな感じが致しました。セリフも言いたいことは分かるのだけど直接過ぎて説教臭さも若干あり。
羅生門の三船敏郎とか、生きるの志村喬とかセリフのない表情だけの演技がとても好きだったので、そこは残念です。

話の暗さと救いの無さは、手塚治虫の火の鳥みたいで結構好きです。
悲劇。仲代達矢の狂気溢れる演技は恐ろしくてすごい。題材は日本の戦国時代だけど、トリックスターとなるピーターの存在によってイギリス戯曲の雰囲気を感じた。
とにかくスケールの大きさですよ、なんてったって。見ている間もどんだけ金掛かってんだろうなーと考えてしまう。

仲代達矢はもうなんか乗り移ったぐらい恐ろしい演技でしたね。この時50歳くらいで70歳の老人を演じきっただけでもあっぱれです。

でもまぁ、これキャラクターの描かれ方がちょっと雑な部分もあるし、望遠レンズで撮るのはいいんだけど、極端にアップで撮らない監督だからそれと相まって感情移入がしづらかったですね。寺尾聰なんか可愛そうです。
任侠映画やマフィア物もだし時代劇もそうで、これらの名作からは現代の一般社会においても教訓にできるような事が多々ある。
特に人間の心のあり方だ。


黒澤映画は豪快なアクションもさることながら人の心模様が如実に描かれている。今作もそれぞれの主要人物の弱い部分、強い部分がおもしろく表現されていた。

最後のラストも哀愁感が良かった。


原田美枝子演じる楓の方の悪女っぷりと、井川比佐志演じる鉄修理の切れっぷりが物語の脇をしっかり固めていた。
俳優さん女優さん達の演技、城の焼けるシーンなど、もう迫力特盛ですね。
リア王もいいですが、分かって観ても違う感じがしますね。
すきな作品です。
黒澤明は肝心な所を映像じゃなく人物に喋らせてしまう!、とか言ってたけど、そんなことはどうでもいい。凄みに満ちている。
黒澤明の誕生日だから何か彼の作品について触れたいと思ったけど、何にしようかと色々迷ってしまい、そこそこ前に見たけれどやはり一番好きな作品ということでこの傑作について記憶を頼りに語ろうと思う。

この作品の好きなところを挙げたら、武満徹の怪しさ溢れてかつ壮大な音楽や黒澤作品の中でも特に多い長回し、能のように静かな演出、美しい美術や衣装等キリがないくらいなのだけど、とにかく当時のハリウッドの大作でも比較にならない程完成度が高くて短くはないのに何度も見たくなる逸品だ。

特に印象に残ってるのは冒頭の猪狩のシーンと前半の締めとなる仲代達矢の発狂シーンなのだけど、後者は仲代達矢の大胆な判断があってのものでもあったから、彼が黒澤映画の常連となっていて良かったなとつくづく思う。

リア王を翻案したこともあり台詞が演劇的なところも多く、基本自分はそういう演劇的台詞は苦手なんだけど、時代ものだからその劇的な台詞が逆に合ってるし、それがまた能のように厳かな印象を際立たせいるのが良い。

映画に嵌りたての頃に初めて見た為、シェイクスピアの四大悲劇の存在を実はこの映画で知ったのだけど、この映画が凄まじい印象を残したおかげでシェイクスピアにも興味を持つきっかけとなり、シェイクスピア悲劇を素晴らしい形で日本に残した黒澤明監督には感謝する他無い。

完成度の高い芸術作品を見ると終わったとき金縛りのように硬直することが多々あり、中でもこの作品は見る度にその硬直と感動が襲う、自分の中の傑作中の傑作だ。

しかしこの傑作、フランスも制作に関わっててアカデミー賞の外国語映画賞で日本代表に選ばれなかったから(それでも代わりに南極物語ってどうかとは思うけど)そこは仕方ないとはいえ、ゴールデングローブ賞で候補止まりだったのは全く以って理解に苦しむ。
黒澤映画で初めて見たカラー。ベルイマンのときと同じ、えこういう色なんだ。ってなった。仲代達矢の顔。日本映画でこのスケールをまたみたい。
koshi

koshiの感想・評価

3.4
スケールがとにかくヤバい映画!
城の炎上シーン、騎馬戦のシーン、合戦シーンは監督と役者魂がスゴイ!
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