乱の作品情報・感想・評価

「乱」に投稿された感想・評価

K2

K2の感想・評価

4.3
「狂ったこの世で気が狂うなら気は確かだ!」

シェイクスピアの『リア王』をモチーフにした黒澤明最後の時代劇。当人が「人類への遺言」と言っているだけあって特に後半の狂言師や家来の台詞は人間観を多分に含んだ名言が多い。

中盤からの老いぼれ阿呆の自己嫌悪っぷりには流石に「はいはい」ってなったのにこの尺で全く飽きずに食い入る面白さだったことが個人的にとても驚き。

死体役の奥方に矢刺さったり落馬で歩けなくなった人いるでしょというギリギリな演出や、億単位?の城を作って焼いたり合戦再現するスケール感は時代感が出てて本当に面白い。Wiki見ても資金集めや制作のエピソードが面白くてむしろそっちに興味湧いた。

クレヨンしんちゃんの戦国〜の元ネタだと観て気づいたのは嬉しい驚きだったし終わらせ方に才能溢れ出ちゃってて思わず絶句。秀虎くらい老け込んだ気分になった。

「泣くな!これが人の世だ」
おかしい。今回が二度目の視聴のはずなのに、景虎が狂ってからあとを全然覚えてない。高校生ぐらいで観たから、退屈に感じて忘れたのかな。

今回観てみて、改めて黒澤明の凄さを感じる。シェイクスピアのリア王を能や狂言で表現したという発想もすごいし、狂阿弥のセリフを始め、人生の教訓となる様な名言連発だし、最後まで味わい深く楽しめた。

何より、そのスケールのデカさがハンパない!CGのない時代だから、兵隊は全員本物の人間だし、鎧も本物、燃える城も本当に燃えていて、実際に戦を再現してしまってる。そういう時代だったという考えもあるだろうが、今の日本の監督に同じ予算を渡してもこんなスケールの作品は作れないだろう。

ラストシーンの鶴丸のシーンなんて、あんなラストを撮ろうと思う人もいないし、実現出来る人もいないだろうな。

本気でハリウッドよりスゴい作品を作ってやろうと思ってたんだろうな。今とはスタート地点から違っている気がする。
隼人

隼人の感想・評価

3.4
「リア王」の翻案。狂った大殿の表情が痛々しい。設定は戦国時代だけども、自分本位に生きてきた人間の晩年の孤独は現代にも往々にして当てはまると思う(実際、亡くなった祖父を思い出した)
あと三兄弟がそれぞれ黄色、赤色、青色に分かれてて観ててすごく分かりやすかった。架空の設定だからこそできる演出。
NAOKI

NAOKIの感想・評価

3.8
撮影に使われた巨大な城が焼け落ちる時、いってしまわれた仲代達矢が燃え盛る城から出てくる。

勿論、CGも特撮もない1発長回し!!

現場を思うと身の毛がよだちます。よ!めんどくさいぞ黒澤明😁

晩年、日本映画界がクロサワに金を出さなくなり、コッポラやジョージ・ルーカスが協力してたけどそれもわかる気がする😁
2000本目!!
1000本の作品から2年経過してました。

シェイクスピアの『リア王』と毛利元就の三本の矢から影響を受け、戦国時代架空の武将の晩年と兄弟の骨肉の争いを描いた作品。黒澤明監督最後の時代劇です。

男の争いも酷いけど、それ以上にこの映画では女が怖い…

演出上、数億円かけた城を焼き払うのはすごい大胆だけど、その中で仲代達矢の狂った演技も見どころ。
yadakor

yadakorの感想・評価

3.0
戦国時代を描いているようで、戦国時代とは全く関係ない映画だった(むしろ現代社会への説教臭さをかなり感じる)
話す言葉は現代風で、カラー故にセットや衣装のチープさが際立ってしまってる 髷がカツラなのも萎える
女がどんどん関係して来るのがよく分からなかった(なぜそこまでの発言力?)
狂った世で狂うなら正気

戦国時代が如何に狂った時代だったか分かる。
日本は平和になったけど嘘をついて得をするもの、正直もので損をするものはたくさんいる。

大殿は因果応報だが三郎には理不尽すぎる。
クレヨンしんちゃんのネタ元?笑

夢と同様超望遠が多くて面白い。色味もナマっぽく衣装も衣装っぽい。

世界観も夢っぽくて好きです。
なっこ

なっこの感想・評価

4.0
物語はいつも途中から始まりある点で終わる
もちろんその枠外に、物語には過去があり未来がある。ある点から点へ、その経過を切り取ったに過ぎない。
見る側は視点的な人物に感情移入して、一喜一憂、感情と共に旅をするが、ふと立ち止まる。本当にこの人物は、信頼に値する人物だったのだろうか、いや、こういう結末は致し方ないのではないのか、これが偽らざる人間の姿であり歴史というものではないのか、と。
そんな風に思わせてくれる作品と、主人公。

元になっているのは、シェイクスピアの『リア王』。あらすじだけしか知らないけれど、この物語の枠組みを借りて戦国の世に移し替えても成立する普遍性にまず驚く。そして圧巻の戦闘シーン、スピード感、それらが実際に走る人や馬で出来上がっているというそのリアリティの持つ重さ。まるでオーケストラ。完璧な音楽を聴かせてくれる。こういう映画をリアルタイムで見てしまった世代にはなんだか勝てない気がする…なんていう訳の分からない敗北感すら感じる。

主人公たる国の主と三人の息子、そして隣国の二人の城主たちとの狩猟シーンから始まり、牧歌的でのんびりとした雰囲気は最初だけで、セリフの中にもあるが、崖の岩が転がり始め加速しながら落ちて行くようにその栄華はもろく散っていく。
戦乱の世は、誰かの城を取り略奪しそこに自分が君臨する、そのことで誰かに恨まれる。のし上がり蹴落としたものたちの恨みつらみは計り知れない。奪われたものはやがて奪い返そうと襲ってくる、その繰り返し。

禍根を残さないために高潔であることが難しい世。誰の中にも貫きたい義があり、誰もがその義のために己の命を危うくする。その良し悪しの判断は難しい。全てが絡み合って人の生き死にを左右していく。

悲劇の結末は、当然の報いであるとも言えるのかもしれない。けれどわずかな救いとして健気に生きる姉弟の姿を、まるで大きな風景画の隅にポツンと小さく描き込んでおくような、そんな優しさが、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』を何故か思い出させて、良いラストシーンだと思った。
仲代達矢が怪演としか言いようがない。妖し過ぎる。ピーターの台詞と踊り?も刺さる。
楓も怖くて夜中のトイレが怖くなった…。

騎馬シーンや戦場の迫力が日本のレベルではない。
koms

komsの感想・評価

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よくある話なんだろうけど、よくある映画にはならなくて、下手したら400字で終われそうな普遍的なストーリーを描く難しさ、描ける素晴らしさを思い知った。
原田美枝子と馬、が、美しい。
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