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トゥ・ランド
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トゥ・ランドの作品紹介

トゥ・ランドのあらすじ

58 歳のジョー・フルトン(ビル・セイジ)は、かつてロマンチックコメディで人気を博した映画監督。今では半ば引退状態で、時間を持て余すのはよくないと、近所の墓地の管理人の仕事に応募する。一方、ジョーの恋人で TV スターのミュリエル(キム・タフ)は、ジョーが遺言書を作ろうとしていると知って終活しているのだと早とちり。ドラマチックな勘違いはたちまち拡散して、ジョーのアパートに友人知人、さらには見知らぬ若者たちまでが押しかけてくる。

トゥ・ランドの監督

ハル・ハートリー

原題
Where to Land
公式サイト
https://toland-movie.com/
製作年
2025年
製作国・地域
アメリカ
上映時間
74分
ジャンル
ドラマコメディ
配給会社
ポッシブルフィルムズ

『トゥ・ランド』に投稿された感想・評価

3104
3.7
劇場公開されるというので、昨年クラファンで届いたきりだったがこの機会にと観賞。

導入~序盤は少しぎこちなく思えたが、中盤以降はユニークにグルーヴしだすあたりはさすがというべきか。そして最後のキャット・スティーブンスへ・・。
主人公の造形や取り巻く様々なシチュエーション等は彼自身のこれまでを思わせるが、だとすれば(しなくても)彼の誠実さや諧謔性、照れやそして揺るがぬ希望のようなものが窺えて、観終えて柔らかかつすっきりとした気持ちにさせられてしまう。

長い年月を経た彼の「land」であるし、「and begin again」でもある?とにかく今作もしっかり“ハル・ハートリー印”。劇場で久々に彼の作品に再会する人にもお勧めできる1本。尺も80分足らずと短いしね。
ハル・ハートリー作品~
二年前ぐらいにクラウド・ファンディングに参加して、ようやくBlu-rayが届きました。

主人公のジョーは60歳手前の映画監督。かつては売れっ子であったものの今は鳴かず飛ばずのため、墓守の仕事に就こうとしている。彼は離婚し、子どももいない。けれど姪のヴェロニカがいて、彼の家を訪れると病院からの手紙を見つけてしまう。さらに人づてに彼が墓を訪れたことも知る。そこからヴェロニカはジョーが自死をするのではないかと疑い、何とか阻止しようとするが…

以下、ネタバレを含みます。

劇中で『トラスト・ミー』にやんわりと言及したり、ジョーの人物造形から、本作はハル・ハートリー自身の心境を多分に反映させた作品のように思う。だからジョーに自死の意志はないとは言え、人生の終わりを感じて遺言書を準備したり、監督業から引退しようとするのは理解しつつも悲しい。年を感じるからだ。栄枯盛衰を経験した人生という年を。

そんな物悲しさが物語の底流にはあるが、それでも本作はハル・ハートリーらしい「笑劇」だ。

ヴェロニカの疑いは誤解であって、シンプルなすれ違いドラマに思わず笑ってしまう。
彼女がジョーの家に再び行くと彼は平然といる。しかも気の知れた仲間と共に。それには彼女と同じく心配でついてきた現・恋人のミュリエルも失神してしまうほどだ。結局、何やかんやでジョーの家には大勢の人が集ってくる。元妻も彼の子らしい若者も誰もかも。そんな様には『アンビリーバブル・トゥルース』の終盤を思い出さずにはいられないのだが、物悲しさとは対極な多幸感に溢れている。

思えばジョーが墓守の仕事をしようとしたのは、「維持/maintain」に惹かれたからだ。1年を通して成長する墓地の草木≒自然を維持することに。自然は私利私欲にまみれた人間社会から遠く離れて成長する。そしてそんな自然に囲まれた墓の維持は、「死んでいること」の維持であり、ジョーの心境には合致するのだろう。

ジョーの家での大集合にも「維持」は感じられる。しかしそれは「死んでいること」の維持ではなく、「生きていくこと」の維持だ。
誰かを思ってやって来て、いやそんな大義もなくふらっとやって来る人もいて。なんか上手いビールを飲みながら語らい、音楽を奏で、哲学談義をして、政治についても話し合う。そんなありふれているけれど、生きていく上では大切な維持の営みが行われている。だから彼らも私も幸せになって笑うことができる。

Blu-ray所収のボーナストラックにハル・ハートリーのインタビューシーンがあるが、そこで彼は本作を円のようにして原点に回帰したと言いつつも、最後の作品だと言っていた。それはジョークであってほしいし、映画を作り続けてほしいとは思う。これからも見続けるであろう私からの切な願いだ。
ハル•ハートリーの10年振りの新作。面白かった!
面白可笑しさを交えながら、人生に迷うことを優しく肯定してくれる。

本棚にスーザン•ソンタグやゴダールが目につく中、ピアノの鍵盤のガシャーンはまんまゴダール。ハートリー自身の作曲である劇中曲も全て素晴らしい。

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