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噂の二人のパピヨンのレビュー・感想・評価

噂の二人(1961年製作の映画)
4.0
「ローマの休日」「ベン·ハー」「コレクター」等々の巨匠ウィリアム·ワイラー監督の作品ですね。1936年に「この三人」と言うタイトルで既に撮っていますが、25年の時を経て自らリメイクと云うことです。オードリー・ヘップバーンは「ティファニーで朝食を」と同年公開で、シャーリー・マクレーンは「アパートの鍵貸します」の翌年公開で、ジェームズ・ガーナーは「潜望鏡を上げろ」の翌々年公開と云うタイミングだった様で、旬のスター揃い踏みです。
学生時代からの親友カレン(ヘップバーン)とマーサ(マクレーン)は、今では共同で女学校を経営しています。そしてカレンには医者のジョー(ガーナー)と言う恋人がいて、二人はいよいよ婚約と云うことになりました。しかし学校の経営が軌道に乗りはじめたタイミングであり、マーサには嫉妬心が芽生え、カレンとは口論となってしまいます。そこに追い打ちをかける様に、ワガママな生徒によって二人が同性愛者であると噂を流されてしまい、平穏だった生活は次第に崩壊して行くのです····。
1936年版の「この三人」では、時代的に不可能であった同性愛描写に再チャレンジしたワイラー監督でしたが、1961年版「噂の二人」でも、スタジオのユナイテッドから同性愛の要素を極力控えるよう圧力がかかります。この辺りのことは、後のドキュメンタリー映画「セルロイド·クローゼット」で、シャーリー·マクレーンが語っていましたね。時の大スターたちも戦いの歴史を歩んできたのですね。先人へ感謝。
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