YusukeHorimoto

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊のYusukeHorimotoのレビュー・感想・評価

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)
3.9
⭕️初見

日本が世界に誇るアニメ映画。押井守監督作品ということで鑑賞。

これはシンプルにすごかった…。

日本という国は、アニメーションといもので挑戦する領域が如何に広いかと思わされる。

◼️まずは、何と言ってもこの作品の世界観。

近未来SFのサイバーパンクな世界観は内容云々より、好きな人はそれだけで楽しめるのではないかと思います。
インサートを連打して状況を俯瞰で表しているシーンが幾つかありましたが、これは表現としても良いし、BGMも相まって、その世界に引き込まれます。

主要なキャラクターの設定(声優陣)も相まって、90年代アニメ映画特有のハードボイルドな雰囲気も堪らん。

◼️作画が良かった。

アクションのシーンが割とありましたが、特に中盤にある撃ち合いのシーンでの犯人側からの視点は、スローモーションなのかどうなのか絶妙なタイム感の表現、瞬間の判断力(何を考えているか)を見事に描いていて、たまらなかったですね。
‘95年の作品ということもあり、技術面での限界が多かったと思うのですが、VFXの使い方が非常に上手く、逆に使いすぎるとうざったくて古臭いような感じになっていたのだろうなと。これも絶妙なバランス感で作られていました。

風景や人物に至る細部まで、作画は楽しめます。すごい。

◼️内容が未来的過ぎて、当時の人たちは理解できたのだろうかと思うレベル。

逆に現代を生きる若者が観て、やっと内容的な部分の根本がわかるような気がするんだけど、まぁ当時は完全なフィクションといった感覚で楽しめていたのだろうと。
要するに、この題材を’95年当時に挑戦していた(原作は更に前)ということが凄いし、最終的にAIとの結合という、未だ現代を生きている私たちにも程遠く感じてしまいようなメッセージ性。
“ネット”という言葉が再三出てくるが、やっとWindows95が出た年って考えると恐ろしい。リアルタイムで観ていたら更にワクワクしたんだろうなと思いました。
“ネット”のイントネーションは注目ポイントの一つ。

何より主人公素子のキャラクター設定が素晴らしすぎて、彼女から出る言葉の一つ一つが重たく感じます。

上記のようなSF要素のほかに、“生命“という大きな話題(これが大筋)にも挑戦していて、この世界観ならではのメッセージ性にはゾッとさせられるようなシーンが多かったです。

◼️総括

アニメ好きは一度は観ておくべき名作。その一言。

《好きなシーン》

素子が海から浮かび上がるシーンからの一連。
バトーと2人で話してるシーンの最後のセリフは哲学的な思想が強めですが、これを聞いてなんとも思わないはずはないレベルのパワーがありました。強い。
YusukeHorimoto

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