【第24回アニー賞 長編アニメ賞他全5部門ノミネート】
ジェームズ・キャメロン、ウォシャウスキー姉妹などに大きな影響を与えた押井守のアニメ映画。
なんとなくNetflixで『イノセンス』を観始めたら訳分からなすぎて大人しくこっちから観ることに。
アニメ映画はディズニーかジブリくらいしか観ないんだけど、これは凄かった。
『マトリックス』先取りのような世界観、まるでタルコフスキーのような暗示や象徴を多分に含んだ映像世界は素晴らしい。まさかアニメでタルコフスキーを引き合いに出す日が来るとは。
人間と人間じゃないものの境目が曖昧な世界で、素子と「人形使い」が共鳴する。『ブレードランナー』でも描かれていたことだけど、最後の素子は逞しくもあり、同時に切なさもあった。
事前に聞いていたより複雑には感じなかった。たぶんアニメシリーズを観たり原作を読めばもっと深いことまで分かるのかもしれないが、最低限映画で語れることを存分に語っていたと思う。
映像の美しさ、テーマの鮮烈さ、なんともいえない後味…SF作品として一級品。
