ツァラトゥストラ
海面に上がる心地、山を下る心地。
匂いまで伝わる繊細な画面、象徴的且つ寄り添う音楽、キャラクターの仕草や動作、声優の上質な演技に大脳を掴まれた。
作中に直接的に引用されている「コリントの信徒への手紙(13章) 」は12節までだが、素子の言葉はその後の節まで示している。
ならば13章の終わりまで到達するとみて、間違いないだろう。
意訳すると、「人生の最期に残るもの。それは、信仰、希望、そして愛。一番大事なものは愛だ。」
ネットワーク社会をインドラの網と解く本作は、自己否定の祝福であり他者肯定への祈りである。