つるばみ色の秋津凡夫

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊のつるばみ色の秋津凡夫のレビュー・感想・評価

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)
3.1
ツァラトゥストラ

海面に上がる心地、山を下る心地。

匂いまで伝わる繊細な画面、象徴的且つ寄り添う音楽、キャラクターの仕草や動作、声優の上質な演技に大脳を掴まれた。

作中に直接的に引用されている「コリントの信徒への手紙(13章) 」は12節までだが、素子の言葉はその後の節まで示している。
ならば13章の終わりまで到達するとみて、間違いないだろう。
意訳すると、「人生の最期に残るもの。それは、信仰、希望、そして愛。一番大事なものは愛だ。」

ネットワーク社会をインドラの網と解く本作は、自己否定の祝福であり他者肯定への祈りである。