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『密書』に投稿された感想・評価

ホラー映画の原典的名作「魔女」(1922)で知られるデンマークのベンヤミン・クリステンセン監督のデビュー作。知る人ぞ知る映画黎明期の傑作スリラー。原題「Det hemmelighedsfulde X(ミステリアスX)」。

1910年頃のデンマーク。ヴァン・ハウエン海軍中尉(ベンヤミン・クリステンセン )は重要な戦争機密文書の管理を託される。ところが、敵国のスパイであるスピネッリ伯爵がハウエン中尉の妻に取り入り文書の内容を盗み見る。機密が外に漏れた事が判明しスパイの嫌疑がかけられたハウエン中尉は処刑の判決を受けてしまうのだが。。。

1914年制作とは思えない完成度の高さで驚いた。光と影を巧みに扱った映像と編集テクニックが素晴らしい。クリステンセン監督の教え子に当たるカール・デオドア・ドライヤー監督が“かつてはデンマーク映画が世界のトップだった”と語っていたのが納得できた。

監督自身によるシナリオは、スパイスリラーを軸にメロドラマとサスペンスを組み込んだ活劇エンターテイメント。当時はフランスのヴィクトラン・ジャッセ監督「ジゴマ」シリーズ(1911~)やルイ・フイヤード監督「ファントマ」シリーズ(1913~)などの連続活劇がブームになっており、本作はその流れをくむ長編と言える。

しかし驚くべきはこだわり抜かれた映像で、特にスパイ伯爵のアジトである風車小屋にまつわる撮影が秀逸だった。丘の上にポツンと建つ水車小屋に人影が入っていく大ロング。アジト内部での様子を逆光シルエットで表現する秘密めいた演出。一方、中尉の邸宅は作り込まれ、当時ありがちの舞台を正面から撮るような構図ではなく常に角度を付けて撮影。画面の奥と手前に人物を配置し奥行きを表現している。

クライマックスでは処刑の迫る中尉とアジトの地下室から抜け出せなくなったスパイ伯爵、真犯人である伯爵を探して駆け回る妻の3シーンをクロスカッティングで巧みにつなげて盛り上げる。グリフィス監督が「國民の創生」(1915)で同様の手法を用いたのに一年先駆け、さらに技術的には本作の方が完成度が高いことに驚く。

本作の映像がドライヤー監督に影響を与えたのは当然ながら、ローキー的な光と影による映像表現はドイツ表現主義映画やフィル・ムノワールの先駆と言える。第一次世界大戦直前の作品であり公開当時は国外では上映されなかったとのこと。例えば一部で権威のあるフランスの映画批評家サドゥールも当時のデンマーク映画に関しては言及が薄く、再発見・再評価されたのは近年になってのこと。日本ではクリステンセン監督の初期作品は殆ど公開されないままだが、宝のような作品が他にもありそうだ。