これは新疆アルタイで起こった小さな物語である。孤高のスピードスケートの天才・アリヤは、ある練習中にスケート靴で額を切られ、失明寸前の重傷を負った。この事故以来、彼女の心には恐怖の種が植え付けられた。 アリヤと明朗快活なジルバラは無二の親友同士で、ジルバラは毎日自分の馬そりで練習を終えたアリヤを家まで送り届けていた。 ある日、ジルバラが偶然スピードスケート部に入部すると、その明るい性格ですぐに他の部員と打ち解け、やがて頭角を現し始めた。アリヤの心に植えられた不安と恐怖の種は静かに芽吹き、ついに爆発。二人の深い友情は危機に瀕する。 しかし、アルタイの広大で包容力ある大地と、温かく善良な人々の支えによって、アリヤは癒されていく。そして二人の少女は再び心を通わせるのだった。
Ⓒ2025 阿利亚的吉尔巴拉