50年代黄金邦画の定番のでもある芸者物語。まずはずばり人身売買だと言い切ってから始めるあたり、質量あわせて日本最高の社会派だったこの監督らしい始まりで、かわいい音羽さん目当ての俺とかつい座り直す。立派な男は貧しい靴職人の宇野重吉だけで、他の金満男どもは全部クズとして描かれるあたりも筋金入り社会派。なのだけどやっぱ音羽信子アイドル映画として観てしまってる俺ですごめんなさい。だってきゃっきゃやってる新顔芸者の頃とか完璧になんてったってアイドル。かわいー❤︎。芸も見事!で酒と男の芸者の深みにハマるにつれ、きれいな着物のすそから泥水が染み上がるみたいに徐々に徐々にスレてゆく演技にたまげてまた座り直し。最初きゃっきゃやってた同じ野球拳ゲームを、最後は死んだ目でやってみせる音羽信子。The女優。