縮図の作品情報・感想・評価

縮図1953年製作の映画)

製作国:

上映時間:135分

ジャンル:

3.4

「縮図」に投稿された感想・評価

yumiko

yumikoの感想・評価

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貧しく病弱な家族を養うため、芸者として日々 懸命に働く長女役の乙羽信子さん。
いくつかの恋も経験するが、芸者ゆえに 実ることはなかった・・・。
母は、生活のため、ゆくゆくは次女も三女も芸者にして働かせようとしていたが、妹たちにまで 芸者の辛い世界を味わわせるわけにはいかない!と、自分が皆を養うから!と 決心する長女だが・・・。

素晴らしい作品です!
これから先、何度か観てしまいそうです。
乙羽信子さんは、日本を代表する女優さんの1人だと思っております。
演技力、表現力、存在感・・・素晴らしいです!!!


[追記]
冒頭シーンでは、はだかの少女たちが口を開けて上を向いており、
続いて乙羽さんが雨の中、家路を急ぐシーンになりますが、破れた傘をさして 古い木造の家々の軒下からまとまった雨がぼたぼたと・・・からもうスッカリこの作品に入ってしまいました。
TsutomuZ

TsutomuZの感想・評価

3.7
乙羽信子という最強の女優
化粧一つ 仕草一つで、ここまで表現できるのかと驚きの一言。
共演者との演技合戦も見ていて嬉しい。

内容は芸者残酷物語。
溝口健二の祇園の姉妹をリスペクトしていると思われる配役と、佃島渡し船の影。
性を描く社会派リアリズム映画の傑作。
同時代の似たような映画とは一線を画す演出とカメラワーク、伊福部昭の音楽がとても素晴らしかった。
あと、シークエンス毎の乙羽信子の変化が絶妙だった
生活に困窮する家族を養うため、芸者小屋に従事することになった長女(乙羽信子)が、人間たちの有象無象を経験していく。幾多の荒波を乗り越えていく女性の姿を、日本のトラディショナル・ムードを大事にしながら描いている人間ドラマ。

主人公は客人から一方的に惚れられるタイプの売れっ子芸者。芸者としての素質は抜群なのだけど、蓄積されたフェミニズム精神と「芸者を演じること」の観念が妨げになり、ひとりの女性としては本物の恋を見失ってしまう。

運命共同体としての芸者小屋をリアリティ満点に描いているのが面白い。きらびやかに見える表面と、そうでない裏面の対比表現が巧みであり、ストリップ小屋を舞台にした日活ロマンポルノの面白さと相通じるものがある。

主人公にとって頼りがいのある人物が(物語上)都合よく身体を壊して退場するのと、ラストの冗長な愁嘆場がどうしても笑えてきてしまうが、かつて実在していた貧困層のことを思うと、本作で笑っている自分への裏返しとして自暴自棄に陥ってしまう。