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グエムル -漢江の怪物-のMIRUのレビュー・感想・評価

グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)
3.2
【あらすじ】
漢江への毒物の流出によって現れた怪物グエムル。川に身を潜め、時に陸地へと現れるこの生物は大量の人々を襲い、殺してしまう。グエムルによって連れ去られた娘ヒョンソを助けるため、父カンドゥは家族とともに果敢な行動に出る。

【感想・考察】
パラサイトからポンジュノ監督の映画に興味を持ち、グエムルを見てみました👀
怪物という現実味のないテーマだったけど、予想以上にストーリーに入り込みながら見ることができた!結構気持ち悪かったけど、面白い!終わり方もポンジュノ監督らしい。ただ、個人的にはパラサイトほどのワクワク感がなかった。

・親子愛の強さ
母の温もりを知らずに育ったカンドゥだが、誰よりも娘への愛情が強い。前だけを見て娘を助けようという強い気持ちが感じられる。
カンドゥの父もまた、普段はカンドゥに冷たく当たるが、本当は自分が息子を責任を持って育てなかった過去を悔んでいるよう。

・家族の連携プレー
頭脳派ナミルと行動派ナムジュの連携プレー。ナミルが着信履歴からヒョンソの居場所を把握し、ナムジュが探し回る。ナミルがホームレスと結託して灯油を巻き、アルコールに火をつけ、ナムジュが矢で射止める。カンドゥが怪物の喉の奥に鉄パイプを突っ込んでとどめをさす。かっこいい。

・父の生命力
麻酔を打っても意識を失わない。薬を散布されても、死なない笑。とにかく娘を助けようという正義感の表れ。

・ヒョンソの正義感
父親譲りの正義感を娘のヒョンソも持っている。同じくグエムルに襲われた小さな子供を守り続け、助けを求めるために必死に行動した彼女はとても果敢だった。

・階級制の表れ
無責任に毒薬を下水に流した医者、被害者に群がるマスコミ、淡々と業務を続ける軍隊、そして被害者である家族、特にカンドゥは彼らに取り合ってもらえない。パラサイトに見られる階級に似たような描写だなぁと。立場が上の者の良いように事実が隠蔽され、貧困層は話すら聞いてもらえない。

【疑問】
・所々に出てくる蜘蛛?寄生虫は何かのメタファーだろうか?🕷悪い意味ではない気がする。
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