BOB

ブラッドシンプル ザ・スリラーのBOBのレビュー・感想・評価

3.8
コーエン兄弟の長編デビュー作となったクライム・サスペンス。

テキサスの田舎町。バー経営者の男が、自分の妻と従業員の浮気を発見。二人を殺害するよう探偵に依頼するのだが、、。

"The world is full o' complainers. An' the fact is, nothin' comes with a guarantee. "

デビュー作からめちゃんこおもろい。

『ファーゴ』の原点ここにありって感じ。アメリカの田舎町で発生した殺人事件を巡って、どこか間の抜けた登場人物たちが己の解釈で突っ走り、トンデモナイ結末に向かっていく様を、シニカル且つ俯瞰的に描いていくスタイル。どこが「シンプル」やねん!とツッコみたくなるタイトルも秀逸。

映画的に語るのがとても巧い。
血、ライター、魚、銃、手、靴、写真。色んなモノがストーリーの推進力となる。画面外で起きていることを、登場人物の表情と音で語る。想像力を掻き立てられるし、緊張感が生まれる。コーエン兄弟の世界観にぐいぐい引き込まれた。

後に3度ものオスカーを受賞する、フランシス・マクドーマンドのデビュー作。

月桂冠のダンボールが登場。テキサスにも届いてるんですねー。

『ファーゴ』と『ノー・カントリー』を再鑑賞したくなった。この2作は、初見時一般的に評価されているほど面白いと思えなかった。本作を踏まえるとまた違う見方ができると思う。

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