アカデミー賞国際長編部門アルゼンチン代表。
名女優でもあるドロレス・フォンシ監督2作目。

流産した女性が、出産した乳児を殺害した(違法な中絶をした)と誤認逮捕され冤罪のまま長期収監されてしまった2014年に実際に起きた事件を描いたもの。

主人公のジュリエッタがトイレに行った時に偶然隣の個室に乳児が捨てられていたことからそれがジュリエッタの仕業だとされたようだ。

少し確認・検証すればわかることなのに、それをせず高圧的な警察は見ていてかなり腹立たしい。
きっと病院内にも異を唱えようとした人はいるかもしれないが、おそらく権力の下に消えたのかもしれない。

人権を無視してまで保身に走る、隠蔽体質、腐敗した組織。
正しい個人が誤った権力に対して異を唱え立ち向かうのは相当の労力を使わなければならないのもおかしな話。
ジュリエッタの場合は一緒に闘う弁護士がいてくれて、市民が味方についてくれて抗議運動が起こるに至ったが、失った時間は戻らないし人権を踏みにじられた心の傷はずっと残る。

胸糞甚だしい話だった。内容は違えど日本でもこうやって権力に踏みにじられた人はいることを考えると遠くの国の話と思っていられない話だった…

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