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モネと時間旅⾏
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モネと時間旅⾏の作品紹介

モネと時間旅⾏のあらすじ

ノルマンディーの草原に、⻑い間、閉ざされていた古い屋敷が佇んでいた。相続の権利を持つのは、⾯識のない30⼈以上の⼀族。⼟地開発のために屋敷を売るように迫られ、パリで暮らすセブ、アブデル、セリーヌ、ギイの親戚4⼈は、⼀族を代表して屋敷の調査をすることに。やがて、屋敷の中から印象派の作品らしき絵画や、先祖アデルの⼿紙や写真を⾒つける。19世紀にノルマンディーからパリへと旅をし、ベル・エポックの時代を⽣きた、謎の⼥性アデル。 彼⼥と絵画にまつわる秘密が解き明かされたとき、過去と現在、理想と現実が出会い、それぞれの⼈⽣に新たな扉を開くー

モネと時間旅⾏の監督

セドリック・クラピッシュ

原題
La venue de l'avenir/Colours of Time
製作年
2025年
製作国・地域
フランス、ベルギー
上映時間
126分
ジャンル
コメディ、恋愛
配給会社
セテラ・インターナショナル

『モネと時間旅⾏』に投稿された感想・評価

kuu
3.7
『モネと時間旅行』
原題または英題 La Venue de l'avenir
製作年 2025年。上映時間 126分。
映倫区分 G 製作国 フランス

セドリック・クラピッシュ監督が、ある家族に遺された古い屋敷と1枚の絵画をめぐる謎を、現代と19世紀ベル・エポックというふたつの時代を交差させて描いたドラマ。

眼球の裏側で、モネの抱く『青』が重たく呻き、睡蓮の緑が脈打つ血のように沸き立つ。そこは静穏な額縁の中などではない、光という名の鋭利な刃で切り裂かれた原初の大地。現実とキャンバスの境界線を滑らかに溶かし出す今作は、時空を越えた美の巡礼であり、失われた時間への濃密な愛歌。19世紀末のフレンチ・アルプスやジヴェルニーの眩い光、そしてデジタルな記号に塗れた現代パリを、画家の筆致さながらの繊細で獰猛な色彩で繋ぎ合わせている。
 
キャストの配置が見事な化学反応を引き起こし、画面の上に色鮮やかな火花を散らす。カルティエの映像美の中で発掘されたアブラム・バプレが見せる現代青年セブの無機質さと切なさは、青ざめたクリスタルのように透過し、映画全体に瑞々しい透明感を与えた。一方でスザンヌ・ランドンが立ち上げる過去のアデルは、古風な影の中に芯の強さを秘め、熱を帯びた朱色の絵の具のように時空を渡る魂の錨として画面に君臨する。さらにバンサン・マケーニュやポール・キルシェといった一癖ある表現者たちが脇を固め、モネやルノワール、セザンヌたちの血肉の通った人間臭さを見事に肉付けし、光に餓えた野獣としての生の衝動を蘇らせた。
 
この物語の奥底に横たわるは、美の保存と記憶の崩壊という普遍的な葛藤。絵画とは静止した標本などではない。モネが挑んだのは、水面に触れた瞬間に雲散霧消する光の肉体を捕捉する暴挙であり、セザンヌの構築した峻烈な形態やルノワールの官能的な肌の朱は、いずれも流れる時間に抗い、それを物質へと固定化しようとした死闘の痕跡。印象派の絵画たちが一瞬の光を固定化しようともがいた試みは、現代の我々がスマホの画面に記憶を閉じ込めようとする衝動と静かに共鳴している。時に歴史的な細部に対する解釈の奔放さや、テンポの揺らぎに対する冷ややかな批評の声も囁かれるが、それらの不均一さこそが、完成された精密機械にはない生々しい画家の肌ざわりであり、狂おしい絵の具の狂乱を感じさせる。
 
タイトルに刻まれた時間旅行とは、単なるSF的な時空の移動を指すのではなく、キャンバスの上に塗られた油彩の地層をひとつずつ爪で剥ぎ取り、かつてそこに注がれた視線そのものを追体験する、魂の考古学を意味している。モネが睡蓮の池を前にして描こうとしたのは、水面そのものではなく留まることのない時間の移ろいであり、刻限の解体そのもの。タイトルは、アートとは過去の遺物ではなく、覗き込む者すべてを現在進行形の時間へ連れ出し、知覚の最前線へと投げ出す凶暴な回路なのだと謳い上げている。
 
現代の我々が生きる世界は、均一に解像されたハイビジョンな情報に溢れているが、劇中で描かれる印象派のまなざしは、網膜が捉える世界のあやふやさや、光の粒子がもたらす知覚の揺らぎをそのまま提示する。高解像度の静穏な世界を打ち砕き、視覚と触覚、そして聴覚が混ざり合う圧倒的な共感覚を呼び覚ますのだ。実在した巨匠たちが絵の具の匂いと共に描かれることで、画面の向こう側にある歴史は抽象的な知識から、触覚的な生へと鮮やかに反転していく。
 
光の粒が時間の砂のように零れ落ちる映像体験の中で、観客は自らもまた、時の流れに抗いながら美を模索するひとりの旅人であったのだと思い出される。終映を迎えてもなお、視界の底では黄金の閃光と深い群青が激しく衝突を続けている。網膜を揺さぶる色彩の重なりは、長く記憶の底で残り火のように揺らめき続け、私たちを美という無慈悲で眩い旅路へと引きずり込んで離さない。


ノルマンディーの草原に佇む古い屋敷。100年以上にわたり閉ざされていたその屋敷の相続権を持つのは、互いに面識のない30人以上の一族だった。土地開発のため屋敷を売るよう迫られ、一族を代表して屋敷の調査をすることになったセブ、アブデル、セリーヌ、ギイの親戚4人は、そこで印象派の作品らしき絵画と、先祖アデルの手紙や写真を見つける。19世紀にノルマンディーからパリへと旅をし、ベル・エポックの時代を生きた女性アデル。彼女と絵画にまつわる家族の秘密が解き明かされたとき、それぞれの人生に新たな扉が開かれる。
原題は『La venue de l'avenir』で直訳すると『未来の到来』。フランス語は分かりませんが、解説サイトを覗くと「パリの大通りに電灯が灯った歴史的瞬間」を想起させるタイトルでもあるそうです。ちなみに英題は『Colours of Time』でもっと直接的なタイトル。そして邦題が『モネと時間旅行』。うん…


…なんでやねんw。


配給会社からすれば興行的に「モネ」の名前を使いたかったんでしょうが、ネタバレでもあるので…どうかとは思います。今年はクロード・モネの没後100周年で、日本国内での展覧会も話題ですしね。…でもどうかとは思いますw。


で、肝心の感想。

時間軸の入れ替えが非常にスムーズでセンスに溢れた作品。シンプルでありながらも趣向を凝らしたカメラワーク、色彩豊かなフィルムの作り方など、美術を題材の一つとした作品として完成度は高いです。また日本における『ALWAYS-三丁目の夕日-』みたいな懐古的作品の要素もあり、19世紀のパリの街並みに主人公の朱色のドレスが…とても美しく映えます。また現代パートを絡めた「意外な人間同士のつながり」を描いた群像劇としても、素晴らしい仕上がり。これはぜひ映画館のスクリーンで堪能して欲しい良作です。お勧めします。
【印象、なので】

モネ没後100年のメモリアルイヤーに日本公開。
僕はモネの大ファンでして、ジベルニーはもちろんのこと、ル・アーヴル、エトルタ、ルーアン、ヴェネチア、ロンドンなどの聖地は全て訪れています。
劇中登場したオランジュリー美術館、オルセー美術館でモネの作品を鑑賞もしています。
モネ作品を観られる展覧会が開催されれば、もちろん出向いています。
なので、上映をとっても楽しみにしてました。
この映画は、ファミリーヒストリーを辿ってみると、モネに繋がってたみたいな感じです。

原題はLa Venue de l'avenirで「未来の到来」。
英題はColours of Timeで「時間の色彩」
邦題の「時間旅行」が、薬によるトリップっていうのが賛否分かれるところです。

でも、モネがル・アーブルで「印象、日の出」を描く瞬間に居合わせたような気分になれますし、あの色彩の秘密を垣間見れる感動があります。
なので、モネファンにとっては大満足できる印象です。

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