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ポーラXのchaooonのレビュー・感想・評価

ポーラX(1999年製作の映画)
3.7
レオス・カラックス監督の長編作品はこれでコンプ🙌🏻
日本ではDVD販売・レンタルが今はない作品だったので、久々のビデ活📼👀

画面作りにしても、ストーリーにしても光と闇の対比が印象的な映画だったかな。

主人公ピエール役はジェラール・ドパルデューの息子のギヨーム・ドパルデュー。
透明感ある端正な顔立ちと金髪が美しく、いかにも好青年って感じ✨

同じく金髪が美しいフィアンセと美しい母(カトリーヌ・ドヌーヴ)を持ち裕福で穏やかな暮らしを送るつつ、素性を隠し作家活動をしていたピエールの元に、異母姉弟だと名乗る謎の女性イザベラが現れ、彼の人生の転落が描かれる🌀
狂気を伴うように変貌していくギヨームの姿は見応えあった。

イザベル役は当時のカラックスの奥様カテリーナ・ゴルベワ✨
正気のない眼をしていて終始陰鬱…だけど美しい。
登場からして不穏。

カテリーナにしても、ギヨームにしても、この映画の後10年経たずに、若くして亡くなっていると知りびっくり🥺
カテリーナは未だに死因が公表されてないし、ギヨームは交通事故による足の負傷で長年苦労したみたいだし、2人の人生を想うとこの作品がより重く見えて来てしまう🥺

てっきりポーラって女性がヒロインかと思ったら、原題の「Pierre ou les ambiguïtés」の頭文字を取って「Pola」だった。
そしてジャケの雰囲気からして、もっと官能的な恋愛映画だと思っていたけど(そういうシーンは少しあるけど)そういう感じでもなく、すごく感覚的で退廃的な映画だったな🤔

結局真実がなんなのか…曖昧で、破滅的で。
突然姉と名乗るイザベラの話や存在に吸い込まれるように、それまでの全てを捨ててパリへ旅立つピエールの行動指針もよく分からん🙄
嘘に対して潔癖で、今までの真実が打ち砕かれて疑心暗鬼になってしまったのだろうか。

母なのに、姉・弟と呼び合うドヌーヴの存在もとても謎めいている🤔
ただ仲がいいってこと?
あの従兄弟のティボーもなんだったの?
なんかこう書くと全然理解できてないな🤣

カラックスらしいさを感じるシーンや画作りだったり音楽使いはやはりかっこよくて、凄く好きなカットもちょいちょいあった😋

あの長く続く階段や、あの朽ちた感じの建物、その深い闇の中で過ちを犯す2人、バンドの掻き鳴らす音、血の川でもがき苦しむ2人、闇夜をバイクで走り抜けるドヌーヴ、相手への想いを昂らせて走る姿、破滅への最後の引き金を引くシーン。
ピエールの金髪とイザベラのダークブラウン?な異なった髪色なのに、黄昏に染まった瞬間2人の髪の色が同じ色合いで輝くのがあまりに美しくて、見惚れてしまいました✨✨
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