ポーラXの作品情報・感想・評価

「ポーラX」に投稿された感想・評価

映画による純文学、これぞジュンブン(←笑・このダサいカタカナ表記はマンガ『響』(欅何とかの人主演で映画化されるアレ)より)だと思う。
て言うかこれって太宰治『人間失格』ほぼそのまんまじゃ?!
主人公ピエールは貴族の血を引き、お城に住み美しい母親を「姉さん」と呼び美しい婚約者もいて覆面作家として成功、オマケに美男子。(ふざけんな!笑ヽ(`Д´)ノ)
まさに誰もが羨む様な人生を送っていながらその全てを捨てて破滅へと突き進んで行く。
でもそれも満たされ過ぎた生活に意味も無くただ退屈を感じて、初めは小説のネタになるとか、ちょっとした自分探しの旅程度に思ってたのでは。
外交官の父親が内戦下のユーゴで作った腹違いの姉と称する女イザベラの出現であっさり何もかも捨ててついて行ってしまう。
イザベラがいる世界は「真実」であり自分のいるこの生温い世界は「嘘」であると判断したからこそピエールはそっちへ行ってしまうのだろうけど、それもイザベラがただ言葉で真実真実と繰り返しているだけで何が真実なのか説明はない。
困窮の果てに結局は嘗ての栄光や過去の自分に縋るしかないが、現在の自分はもう世間から顧みられる事は無い。
人間失格の主人公が地下活動組織に参加したりしますが、落ちぶれたピエールも途中インダストリアルミュージックを演奏する(それが教義?)カルト集団のアジトである巨大な倉庫跡廃墟へと身を寄せますが、この集団の目的も不明でピエール達に寝床を提供してくれるものの特に助けてくれるわけでもない。
地獄の血の川をピエールとイザベラが流れていくイメージシーンしか印象には残らなかった。
今あらためて見るとこれはピエールの内面、心の変化、真実は人の内にある、みたいな事を描いているのだと思いますが、ただただ自分本位で身勝手なピエールの独りよがりを見せられているだけで、ピエールのそれ迄の生活を心ならずも破壊する為だけにやって来たイザベラも難民と言うバックグラウンドがあるにせよ典型的な男をダメにする女にしか見えない。
ポンヌフの恋人から八年ぶりのレオス・カラックス新作で楽しみにして見に行ってガッカリして帰った思い出。

今はなき思い出の渋谷シネマライズにて。
uyeda

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3.0
オールナイトで観たので色々と見逃している気がする。轟音で目が覚めた記憶ははっきりしている。もう一度観て、しっかりとした感想を言います。
ジロウ

ジロウの感想・評価

5.0
カメラが転落するバイクのヘルメットを追いかける。それは、
主人公の堕ちていく未来を予告する。

アンダーグラウンドな楽器隊のメロディと猟犬。


詩の朗読のようなセリフを呟きながら森を歩く枯れた顔の女とそれを、ただ、見る。

この映画にこれまでのような疾走は無い。。

予告された死
一度目に観た時の感想は「なんて不快で不埒な映画なんだろう」。今思えばショックだったのだ。「アレックス三部作」の世界観をどこかで期待していたから。カラックスはそんな観客の期待を振り切るように物語を加速させていく。

この映画は疾走と破滅の物語である。唯一無二の存在感を放ち暴力的なまでにショッキングでありながら、映画としての品性を失っていない。

カラックスが好きでも賛否は分かれるであろう難解な作品である。

主演の二人は既に亡くなっていて、その辺も呪われた映画と言われる由縁なんだけれど、「ポンヌフ」の成功に固執せず、新たな境地を示そうとした挑戦と意欲はもっと評価されるべき。
2回目
バンドが出てくるとかすごい好きだし、デヴィッドリンチのようなテイストだから嫌いじゃないんだけど
これよりデヴィッドリンチの作品の方が優れてるように思う
やっぱり僕の好きなカラックスはポンヌフの恋人までだなあと思ってしまう
いろいろ書こうとしたけど書けなかったダメです
とりあえず今年観た中では一番の映画体験だった
ooospem

ooospemの感想・評価

4.5
ガレルが理性の人ならカラックスは感覚の人、という印象。計算だけでは追い込めない感覚的な臨場感がある。印象操作を感じないのに、本能的に緊張する何かが襲ってくる。
映像の作り込みという点では、彼はひどくしつこく最高を極めるたちらしい。そのシビアさは些細なブレもない絵画のような画面からひしひしと伝わってくる。注視していると風のように真っ白だったカップルの洋服が最終的にもはや「白」を排した配色になっていたりする。そういえば色に関するこだわりが極めて強い監督だったな。

彼の作品は《アレックス青春三部作》以降数年ぶりに鑑賞したのだけど、こんなに男性的で猛々しい印象があったかしら、と思った。あの三部作も大好きで大事な作品なので、新たな気持ちで観返すことができそう。
穂

穂の感想・評価

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ジャンプカット、はいはいはいって切られていく動作の伸縮 特に縮. (スピードを生むというよりは画面を揺さぶる運動になっている→印象-体験)
なんとなく工場チックで殺伐としている北千住シネマブルースタジオにインダストリアルロックの轟音が響き渡り、なんだか気持ち悪くなってしまった。けど映画館で観られてよかった。

バッドエンドに違いない物語を観るのは疲れる。
幸せな日常は世界のほんの一面に過ぎないのではないか、って考えてしまうところまでは共感できるけど、そこから転落していった先の世界の描き方がすごい。異様すぎる。その変わり様だけでもまさしく映画という感じがする(全然方向性は違うけど、共感から驚異への旅としての凄さは『インターステラー』や『2001年宇宙の旅』と似てる)けど、やっぱり狂気を映像にするのは難しくて、着いていけないところもあった。
家族の物語でもあって、それもたくさん考察できるんだろうけどよくわかりません…
破綻をも辞さない壮大な絵巻物のような映画世界は、同じカラックスの「ポンヌフの恋人」、チミノの「天国の門」、コッポラの「地獄の黙示録」を思わせる。いずれも濃密な夢を見た後のような余韻が残る。前半と後半の落差、出会いが変える人生、変わることを怖れない生き方。行き着く先が破滅であっても。映画を見ることは夢の中でつかの間もうひとつの人生を生きることに似ている。
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