マリオン

カンフーくんのマリオンのレビュー・感想・評価

カンフーくん(2007年製作の映画)
1.0
カンフーの修行を行う少年が師匠の方針により日本に送られ、現地の人々と交流しながら悪の存在を倒すために奮闘するキッズムービー。キッズムービーということを抜きにしても意味不明で推進力のない内容で異常に間延びしたカットの連続は長々としていて本気でつまらない。他にも悪い意味でアニメ的なノリや子役の演技など本気で悶絶するかと思うぐらい退屈な映画だ。

いつも映画のレビューを書くときにはその映画の大まかなあらすじと説明を書いているのだが、今作の場合はしばらく手が止まってしまった。つまり何が言いたいかというとこの映画のお話は意味不明過ぎてどうでもいいの一言に尽きる。まず敵の目的やカンフーくんの目的がどんどん有耶無耶になっていく。カンフーくんは最後の修行の試練のために日本に飛ばされ、敵はゲーム会社の社長で文科省を支配し子供達をバカにしようとするという目的があって、その間にカンフーくんと子供達とのふれあいや日常の場面を見せつつ敵との戦いに挑むのだがこの日常シーンが異常に長くて全然目的が進まない。そのふれあいや日常がカルチャーギャップによる面白さがあるとかギャグたっぷりで面白いとかならいいのだけどそんなシロモノではない。すべてが支離滅裂でツッコみどころばかり、思いつきで入れたようなくだらない事象が連続する。ほとんどの理屈は「かわいい」で有耶無耶にされ、アニメのノリそのままなキャラクターの浮きっぷりなど見ていて目がどんどん死んでいく。なぜか小学校にいてある目的があるくせにロクな活躍のない矢口真理とか日本語通じないのにベラベラ身の上話する泉ピン子とかもう正気の沙汰じゃない。しかもその描写がいちいち3秒ぐらい謎の間によって水増しされているため余計に長い。

やっと敵の目的が表面化してもその内容もくだらない始末で、ゲームやらせてバカにさせるという悪巧みの真の目的もどうでももいいし、桜坂やっくんとかエアギターも入れただけだし、最後のアクションはプレステ2のゲームの3D級のショボさで見ていてマヌケに見える。カンフーらしいアクションがあるのは最初の修行の場面だけだ。カンフー映画らしい面白みは皆無である。ちなみにこれらの描写は全て「VFXのため」とか「内容の薄いお話を埋めるため」とか「プロダクトプレイスメント」という理由づけでしかないのも付け加えておく。

演出も本当に下手糞で意図が不明だ。日本語が通じないカンフーくんに対して字幕が付いているのにわざわざ翻訳君というキャラがカンフーくんのセリフをもう一度しゃべるというくどさにゲッソリし、カンフー映画らしい中華風なスコアはいっさい聞かれず退屈で盛り上がらないスコアで眠くなる。子役に対する演技指導も最悪でほとんど見てられない。イケメンというキャラクターのただでさえウザいのに演技もアレなおかげで更に見てられない。VFXにこだわっている割にはワイヤーで釣られているのが丸わかりのシーンもあって雑だ。

一応いい所も言っておこう。冒頭にあるカンフーアクションは今や「るろうに剣心」でお馴染みの谷垣健治のおかげでかなりシャープかっこいい場面になっているし、冒頭の山のシーンだけは傑作のかおりすらしたぐらいばっちり決まっていた。あとはカンフーくんを弟にする女の子がすごくかわいい(性的な目)

多分、タマフルの24時間放送の企画としてみんなでコメントしながら見てなかったら本当に退屈さで死んでいたと思う。クソ映画だから笑えるかと思ったらそんなものは一切なかったので、本当この映画作った奴らを呪い殺したい気分である。企画中の宇多丸師匠たちも時々無言になっていたのが印象的だった(笑)
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