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ララミーから来た男のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

ララミーから来た男(1955年製作の映画)
4.0
【目には目を手には手を】
「死ぬまでに観たい映画1001本」掲載のアンソニー・マン西部劇『ララミーから来た男』を観ました。西部劇は中高時代こそ苦手だったものの、大人になって挑戦すると泥臭く暴力的な人間模様にサラリーマン生活を送る自分が重なり楽しめたりします。本作も興味深い作品でした。

弟の仇を討つ為旅をする男ウィル(ジェームズ・スチュアート)。新しい町で、一通り準備を整え、権利関係を調べた上で塩を採取していたのだが、突如バーブ牧場の連中に「何やっている」と言われ、理不尽にも馬車を燃やされ、馬も射殺されてしまう。そこから傲慢なバーブ牧場の連中との血で血を洗う戦いが始まった。ポイントはバーブ牧場の中にも暴力的な制裁にドン引きしている人がいる点だ。しかし、組織というものは声が大きい者によってコントロールされてしまうもの。故に、塩を少し採取していただけで馬を殺してしまうのだ。同様に、目には目を方式で、手の甲を撃たれたら、とっ捕まえて、ゼロ距離で手の甲をぶち抜く。とにかくエゲツない暴力の連鎖が所狭しと並べられているのだ。だが、本質は組織におけるハラスメント体制の映画であり、全く他人事ではない映画だなと思った。
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