土の中からこんにちは太郎さん

グレイヴ・エンカウンターズの土の中からこんにちは太郎さんのネタバレレビュー・内容・結末

1.3

このレビューはネタバレを含みます

韓国ホラー映画"コンジアム"が面白かったので、その元ネタ(?)のこちらを鑑賞。
結果、びっくりするほど面白くもなければ、怖くもなかった。

第一に、怖がらせ方に工夫が無い。
幽霊が映る→一拍置いて幽霊キメ顔→登場人物ビビる。
もしくは幽霊が突然フレームイン。
下手なYouTuberがアップした「○○のお化け屋敷に行ってきました〜」と言う手合いの面白く無さ。

廃墟の設定が不明確な部分があるのは良いとして、ただ置かれた駒のような登場人物に魅力(バックボーン)が無い。
そんな魅力無しの登場人物達が極限状態に置かれたせいでストレスモリモリ垂れ流している様はただただムカつくだけで観てるこっちも苛々が募るばかりだった。

実話系、モキュメンタリー系の作りとして悪手が多い。
映像が全体的に間延びしてて鑑賞していて集中力が削がれた。
カメラワークも「ここでソッチ映さないんかい」とツッコミ箇所満載。
上述の理由から商魂逞しい主人公設定が揺らぐ揺らぐ(そこら辺のYouTuber以下だよアンタ…)
実話っぽさを演出する為に入れている画面のノイズも説明臭くて野暮ったい。

この作品を観る誰もが"実話風"と言うことは理解しているのであって、「登場人物は本気で怖がってるからカメラワーク悪いよ!」ていう設定(カメラワーク)は娯楽作品としてナンセンス。
アジアよりも幽霊と文化的な繋がりが薄いせいか、制作側のボキャブラリーの無さが血と悪魔とグロに終始するという貧困な演出。
そのままの勢いで特筆すべきものを何一つ描くことなくエンディングを迎えると言うお粗末なラスト。
怖くも無いし面白くも無い地獄のような時間を過ごすことになった。
ただ、この作品を下敷きにしたであろうコンジアムが制作されたという意味では、この作品が世に出た意味はあるのだろう。
と自分に言い聞かせた。