こんなに悲しい映画って…。ドラマ版の謎は全くもって補完されないが、途方もなく悲しい…。安息の地なんてどこにもないこの世界で、少女はどのように生き抜こうとしたのか。結末を知った上でその過程を追体験しなければならないのはとても辛かった。でも、堕ちていくと分かって堕ちてゆくときも、デカダンスの泥沼に塗れて抜け出せなくなってしまったときも、ローラはきっと希望を手放してはいなかっただろう。この映画の中で、彼女の魂はリンチによって確かに救われたのだ。どこかに消えてしまったと思われた天使は、先にブラックロッジで待っていた。絵面の前衛さで隠されるが、やっぱりリンチの根底にはとても純粋なヒューマニズムの水脈が流れている。俳優としても抜群やった!オーレーゴーン!