Omizu

大統領の陰謀のOmizuのレビュー・感想・評価

大統領の陰謀(1976年製作の映画)
3.9
【第49回アカデミー賞 4部門受賞】
『ソフィーの選択』のアラン・J・パクラ監督のウォーターゲート事件を暴いた二人の記者を描いた実録映画。

社会派ドラマとして文句なしの傑作!もちろんある程度の関心と教養は要求されるし、今では分かりづらい言い回しも多いが、隠蔽された真実に地道に迫っていくそのジャーナリズム魂に心揺さぶられる。

本当に淡々と描写していくだけで、大半はワシントン・ポストのオフィスで、他は国会図書館で一年分の貸出カードを探したり、名簿に載っている何百人を一人一人訪ね歩いたりするというだけ。新聞記者は足で稼ぐってこういうことなのかと。

撮影や美術も素晴らしく恐ろしく見応えのある作品に仕上がっている。全く飽きずに楽しめた。

そしてなにより、ウォーターゲート事件の僅か数年後にこの映画をつくってしまうというアメリカの凄さ。『スキャンダル』とかもそうだけど。日本も見習うべきだな。
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