鑑賞後も衝撃のような物がまだ胸に残っている。なんて映画なんだ…と言いたくなる傑作だ。
性的虐待の結果、学ぶことも、親からの愛も夢を見ることさえ遮られた彼女がどう生きていくのか丁寧に描きつつも映画である事を忘れずに写し切ってる。
あらすじの時点で「父親からの性的虐待で二人の子供を身篭る」とあったので当然重いイメージも持って視聴に望んだが、この様なテーマの映画では深堀が浅いものもあるが、これは1つの到達点まで追求しきった作品だろう。
脚本、脚色の素晴らしさは視聴した全ての人に届くだろと思うので、撮影法に言及するが、これも驚きだった。
この様な重い脚本に対して、昔ながらの撮影法から新しい撮り方も散りばめながら写しているのは好感が持てる。さらにその効果は暗いテーマでも効いており、飽きさせることは無い。ただ1点ズームインアウトだけはくどさを感じたが、他の多くの手法が上手くいっているだけあって許せてしまう。
ラストの話し合いのシーンでは唸る場面しかなく、冗談ではなく何故こんな事が起きてしまったのか…と頭を抱えた程だ。
それだけ全ての演技が素晴らしく、心をゆさぶられる程だった。
学校のシーンでも同じだ。彼女らがいたおかげで救われた部分は非常に大きい。
総評として、この様なテーマを究極まで写しきり、さらに映画的な部分を忘れずに作り上げた今作は非常に評価が高い。
ある意味ダンサーインザダークを彷彿とさせたが、私個人としてはそれをも超えた衝撃的な作品だった。
何故3.5という低評価なのか非常に謎である。