てつこてつ

オペラ座の怪人 25周年記念公演 in ロンドンのてつこてつのレビュー・感想・評価

4.3
ブルーレイ鑑賞。

ミュージカルステージをテレビスクリーンで観るなど、何と野暮な・・
と、思いきや、まるで自身がコンサートホールにいるかのごとき錯覚を覚えるほど、拍手が左から右から響き渡ったりして迫力満点。映像自体も透明感があるほど美しい。

さらに、コンサートホールに足を運んだ人間より、何が良いって演者の
表情をアップで捉えてくれるので、歌声だけでない演技の妙も存分に楽しめるということ。

圧倒的に素晴らしかったのがファントム役を演じた、今やブロードウェイ&ウエストエンドの大スターとなったラミン・カリムルー。彼は、「レ・ミゼラブル」25周年記念コンサートでもアンジェルラス役で、その美声を遺憾なく披露していたし、この後には、主役のジャン・バルジャンという大役を務め、親日家ゆえ、日本でも「エビータ」のチェ役、「ジーザス・クライスト・スーパースター」のユダ役で好演するなど、今や押しも押されぬ人気のミュージカル界の大スターとして活躍している。

対して、クリスティーン役のシエラ・ボーゲスは、確かに美しいソプラノの持ち主なのだが、顔立ちが今ひとつ、華がないのが惜しい。

それでも、他キャストは豪華な顔ぶれだし、英国ロイヤルバレエ団のプリンシパルまで登場させるという贅の尽くしよう。

最後に、こういった何十周年記念コンサートお約束のオリジナルキャストらが登場するシーンは鳥肌物なのだが、このミュージカルを体現するミュージカル女優であるサラ・ブライトマン(お世辞にも二枚目とは言えないアンドリュー・ロイド・ウェーバーは、彼女の美声に惚れ込んで、このミュージカルを作曲したのは有名な話。すなわち、ファントム=ウェーバー、クリスティーン=ブライトマン)が、最後に歌い上げる箇所では、さすがに年齢の為か高音が十分に出すことができなかったのが、彼女の全盛期に来日コンサートでその天使のような歌声に圧倒された身としては、やや寂しかったな。
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