戯言を捲し立てる相手を前にして顔面の上半分を馬鹿デカいサングラスで隠され、目でも耳でもなく唇で話を聞くことになるジーナ・ローランズがそこに傷を負った時、自らも唇を露わにするのだと決意するシーモア・カッセルの誠意には爆笑とともに込み上げるものがある
ジョン・カサヴェテスが別れを告げて以降全く登場せずカメラの後ろにいることを徹する潔さも、ジーナ・ローランズが最も美しく撮られている映画で実の母娘共演が果たされ、恐ろしいほどのハッピー・エンディングを迎えることも、何もかもを無条件に祝福したくなるような映画