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ロッキーのharu3uのレビュー・感想・評価

ロッキー(1976年製作の映画)
3.5
うだつの上がらない三流ボクサーの、人生の再起をかけた物語。
お世辞にも美男美女とはいえない主演の二人のみならず、彼らを取り巻く人間やフィラデルフィアの街全体に漂う負け犬感に、これがアメリカン・ニューシネマというやつね。

降ってわいたチャンスを前にして、不遇な環境と自分自身に対するコンプレックスから脱却したいと渇望するロッキーの姿が強烈に印象に残ります。
スタローンが本作で一躍スターダムにのし上がった様は、まさしくロッキー・バルボアそのもの。超有名なテーマ曲をバックに石階段を駆け上がり、両手を揺り上げるシーンはやっぱり胸が熱くなる。

珠玉のラブストーリーとしての一面も忘れちゃいけません。
スポーツものにおける恋愛要素は少なからず蛇足で邪魔っけに思えるものだけど、本作では孤独で不器用な二人の恋の、焦れったい程の進行を応援せずにはいられない。エイドリアーン!
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