haru3uさんの映画レビュー・感想・評価

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成功したオタク(2021年製作の映画)

3.5

あるK-POP歌手の熱狂的ファンだったオ・セヨン監督は、推しから認知され番組共演も果たした"成功したオタク"だった。
推しが性加害で逮捕されるまでは。

応援してきた自分の人生ごと否定された気持ちにな
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プリシラ(2023年製作の映画)

4.0

エルヴィス・プレスリーに見初められた14歳の少女プリシラ。
誰もが羨むヒロインが、世界的スターの邸宅に囚われた日々の中で大人になり、そして別れを決断するまで。


二人の年齢差は10歳。プリシラには
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

5.0

アトレイデス家の生き残りの王子が、砂漠の民フレメンと蜂起する。

久々にIMAXシアターへ。大画面いっぱい目前に襲い来るサンドワームや、焼け付くホワイトが異様なあの闘技場シークエンスがフルサイズだった
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マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.5

救急救命士のキャシーは、偶然出会った三人の少女が殺される未来を見てしまう。彼女たちを助けるため、図らずも謎の男に追われるはめに。あらゆる未来の可能性を見る“マダム・ウェブ”誕生の物語。

それぞれ訳あ
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

人里離れた雪の山荘で、視覚障害のある少年が父親の不審死を発見する。転落事故か投身自殺か、それとも妻による殺人か。
幸せな家族像にメスが入れられ、夫婦の秘密や嘘が暴かれていく。

ほぼ状況証拠のみでそも
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ロリータ(1962年製作の映画)

3.0

「ロリータ、我が命の光、我が腰の炎。我が罪、我が魂。ロ・リー・タ。舌の先が口蓋を三歩下がって、三歩めにそっと歯を叩く。ロ。リー。タ。」

ロリコンの語源と聞いて挑むと拍子抜けします。全然お上品です。
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.0

17世紀の朝鮮王朝。王子の怪死の真実を暴くため、盲目の鍼灸師が暗闇を奔走する。

設定上どうしても暗いシーンが続くので、劇場鑑賞がおすすめ。
先端恐怖症でなくても身がすくむポスターだけど、この、暗殺現
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カラーパープル(2023年製作の映画)

4.0

虐げられてきた黒人女性たちの解放を、高らかに歌い上げるアンセム。
主人公セリーの悲惨な境遇を描く前半は、ミュージカルパートで息継ぎしつつ何とか乗り切りました。性的虐待による出産、生まれてすぐ赤ちゃんは
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DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

4.0

オンライン試写にて。
異色のダークヒーロー“DOG MAN”は、犬たちと共に世界の不条理に抗い、夜毎ドレスを身に纏っては愛の哀しみを歌う。

ケイレブ・ラドリー・ジョーンズの色気ある品の良さと、垣間見
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5

不協和音が響き魚眼レンズが映す、歪で荘厳な世界観が刺さりに刺さって。。鑑賞中ずーっとトキメキが止まりませんでした。チャプターごとのタイトルや、作り込まれた美しい画の数々を額縁に入れて飾りたい。
ヴィク
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

フィンランドの首都ヘルシンキが舞台の、静かなラブストーリー。
交差する眼差しに、互いの名前も知らないまま惹かれ合う男女。ラジオからは絶えず隣国ロシアのウクライナ侵攻のニュースが流れ、続く失業に鬱々とし
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.0

実写化に不安しかなかったけど杞憂でした。面白かった~!
懸念していた山崎賢人さんの起用も良かった、認識改めます。
アシリパさんに話しかける声の穏やかさ、リスやカワウソを食べたくなくてふにゃふにゃ返事し
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.5

西部開拓時代のオレゴン州、未開拓地に流れ着いた2人の男。
狩猟仲間に置いてけぼりにされた料理人クッキーと中国人移民のキング・ルーは、街に一頭しかいない牛のミルクを夜な夜な絞り、ドーナツで一攫千金を画策
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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

4.5

彩りも美しい“料理”が主役の映画です、スクリーンを飛び越え香りや味までもが届く。とにかくお腹が空いた~!
冒頭、かなりの時間割いて流れるような調理の行程をカメラが追うのだけど、彼らプロフェッショナルの
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氷の花火 山口小夜子(2015年製作の映画)

3.5

制作者の愛が重くウエットな語り口だけど、小夜子さんを前にすると、皆憑かれたようになっちゃうんだろうなと思わせる、神秘的な美しさ。
代名詞の切れ長アイは、実は徹底したセルフプロデュースによるもの。実際は
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.0

水木しげる作品は全く通ってこなかったのでノーマークでしたが、面白かった!
古き良き昭和感は全く無くて、劇中ずーっと煙草がもくもく。令和に眉をひそめる倫理観のなさに、「ゴジラ−1.0」を、こんなの漂白
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市子(2023年製作の映画)

4.0

川辺市子は、恋人の長谷川からプロポーズを受けた翌日、失踪した。縁故ある人々を訪ね市子の行方を追う長谷川は、彼女がかつて別の名前を名乗っていたことを知る。

無邪気に未来を語る彼女の周囲の人々と、今を生
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

4.5

チョコと魔法のおとぎ話。Tバートン版の毒気やシニカルさはなく、愛と夢と冒険に満ちています。

冒頭、夢見るウォンカが港に着き街を散策するシークエンスの時点でもう、この映画が大好きになった。チョコレート
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カサンドロ リング上のドラァグクイーン(2023年製作の映画)

3.0

母と貧しい暮らしを送る万年負け役レスラーが、覆面を脱ぎ着飾って、ドラァグレスラー“カサンドロ”として生まれ変わる。
ラテンアレンジの「I Will Survive」を背にリングに上がる姿が最高にクール
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赤と白とロイヤルブルー(2023年製作の映画)

4.0

アメリカ大統領の息子×イギリス王子のロマンチックなラブコメディ。
犬猿の仲は序盤だけであっという間に意気投合、秘密の交際がスタートする。
公人の立場を思うとかなり大胆に(BL耐性ない方は肌色注意かも)
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私がやりました(2023年製作の映画)

4.0

有名映画プロデューサーの殺害を告白した売れない女優は、正当防衛で無罪を勝ち取るのみならず、悲劇のヒロインとして成功をも手に入れた。
そこに真犯人を名乗るかつての大女優が現れて。。

エスプリの効いた軽
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.0

Sスピルバーグ監督の自伝的映画。
実話ベースだから家族や級友との関係はなかなか上手くいかないし、巨匠の名から期待するような派手な展開もない。けれど小さなエピソードの一つ一つが、少年の映画作りの糧となっ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.0

戦後日本に追い打ちをかけるように、ゴジラがこの国を無から負(マイナス)へと叩き落す。

ゴジラめちゃくちゃ怖くて映画館で震えあがりました。
放射火炎で銀座を焼野原にし、慟哭する敷島に目もくれずキノコ雲
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

4.0

亡祖母の荷物を片付けるため母の生家を訪れた少女は、森の中で、母と同じ名前の少女と出会う。
SF(ちょっと不思議)な状況にすんなり順応して仲良く遊ぶ子供たちが可愛らしい。三世代の女性の絆を描くのに、姉妹
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オットーという男(2022年製作の映画)

3.5

アメリカの集合住宅に住む偏屈な独居老人オットー。
いつも不機嫌でとっつきにくい人だけど、外国人、学者先生、トランスジェンダー、子供や猫ちゃんに至るまで、誰に対しても等しく感じ悪く接する態度はむしろ一貫
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長ぐつをはいたネコと9つの命(2022年製作の映画)

4.0

子供向けには愉快な仲間たちとの賑やかな冒険譚だし、自身の弱さと対峙するオールド・スターの哀愁は大人にこそ刺さる。緩急で魅せるアクション描写も楽しい!
2023年ベストヴィランと名高い賞金稼ぎのウルフが
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次元大介(2023年製作の映画)

2.5

ポスタービジュアルかっこいい! 波止場で煙草をくゆらすラストも絵になる。

ルパンと付くものは一応チェックするものの期待していなかった分、本編も、予想より悪くありませんでした。
ガンマンなのに接近戦多
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.0

延々と湧いてくる敵をひたすら倒すアクションパートがとにかく長い。。
169分は正直疲れますが、休みなく戦いを強いられるジョンのうんざり顔がそのまま我々観客の疲労感とリンクするので、この長さには意味があ
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バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

4.0

かつて新進気鋭の建築家として脚光を浴びたバーナデットは、人付き合いが極端に苦手で偏屈で、ご近所や身内に居たら厄介なタイプ。
娘と約束した南極旅行のプレッシャーに加えトラブルが重なって、彼女の心は土砂崩
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ふたりのマエストロ(2022年製作の映画)

3.0

スカラ座の音楽監督就任という数十年来の夢が間違い電話でしたってのは、老いた父マエストロには酷だ。。
確執云々抜きにしたって、板挟みとなった息子マエストロも気の毒。スカラ座側が訂正&謝罪するのが筋でしょ
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.0

赤茶けた土と青空の配色が大好きなので、過去一好みのビジュアルかも。
ウェス作品の登場人物は不器用で可笑しくて、深刻な状況下でものんびりしているところが愛おしい。人間も宇宙人も鳥もみんな可愛い。
寝落ち
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エリザベート 1878(2022年製作の映画)

3.5

オーストリア皇妃:エリザベートが40歳を迎えた年の1年を描く。
原題は"Corsage(独語でコルセット)"。宮廷の厳格な因習に締め上げられて消耗し、終始気だるげな雰囲気が良かった。
自身の存在意義で
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ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)

4.0

怪我で夢を絶たれたバレリーナが、コンテンポラリーダンスと出会い新たな一歩を踏み出す。

主演に抜擢されたオペラ座の現役ダンサー:マリオン・バルボーを筆頭に、踊れるキャストばかりでダンスシーンに一切の妥
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ソウルに帰る(2022年製作の映画)

3.0

言葉も分からない・居心地の悪い生まれ故郷で、自身のルーツを探す旅。

出後すぐ国際養子に出された“典型的な”韓国人顔のフレディ(ユニ)は、自由奔放なフランス人の魂を持っている。
選ばれるのではなく自分
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バービー(2023年製作の映画)

4.0

女児のお人形さん「バービー」の映画だよ!?
こんなニッチな題材で、フェミニズムを真摯に扱いつつピンクでハッピーな世界観を貫き、世界中で大ヒットさせたのは本当にすごいこと!!

痛烈な家父長制批判と話
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怪物(2023年製作の映画)

4.0

「怪物 だーれだ。」
とある学校でおきた一連の事件を、母親・教師・生徒それぞれの視点で何度も描き直す。
パートが切り替わるたび新たな“怪物”が現れ、如何に物語の一面しか見えていなかったのか気付かされま
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