ランボーでありたい

パンプキンヘッドのランボーでありたいのネタバレレビュー・内容・結末

パンプキンヘッド(1988年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

50音映画鑑賞マラソン 第28回 『は』
BDで再見
SFX・特殊メイク・アニマトロニクスの巨匠。故スタン・ウィンストンの長編初監督作品。クリーチャーものに暗い童話を組み合わせたダークファンタジーホラー。主演はランス・ヘンリクセン
<あらすじ>
アメリカ南部の田舎町。幼い息子と二人暮らしで道路沿いの雑貨屋を営む男エド。親子でのどかに暮らす中、都会から来た奔放な若者たちによるバイク事故で息子を失ってしまう。悲しみはやがて憎しみに変り、怒りの矛先は若者たちに向けられる。復讐のために森に住む黒魔術使いの老婆の力を借り、悪魔”パンプキンヘッド”を呼び出すが・・。

BDが安く売ってたんで。DVDより結構綺麗ですなぁ。
”スタン・ウィンストン初監督作=見せ場はSFXだけ?”などと甘く見てはいけません。ドラマもしっかりあって映像も美しい。そして泣ける・・。ちょっと遅れて出てきた「エイリアン」のリップオフですが、その中でも群を抜いて優秀。おもしろいです。
やはりランス・ヘンリクセンは「エイリアン2」のヴィショップ役がもっとも有名でしょうか。あのキャラクターも大好きですが、個人的に今作の彼が今まで見た中で一番好き。まず単純にかっこいい。初登場シーンは火炎放射機で雑草を燃やしているショットなんですが、キャップを被り上半身裸で薄汚れたジーンズにハイカットのブーツ、煙たそうに炎を見つめる強面の顔。ま~かっこいい。僕の中でアメリカ南部のかっこいい男はこの「パンプキンヘッド」のエド、ランス・ヘンリクセンで確定です。息子を失った父親の悲哀を熱演でしっかり表現されていますし、彼のベストアクト!言い過ぎか?嫌っ!ベストアクトです!
パンプキンヘッドの形状が「エイリアン」のビックチャップっぽいとか、トーンが急にガラッと変わって別の映画が始まったような感覚に襲われるとかしますが、好きになんで目をつむります。寧ろそこもいい。好きです。

映画完成後、製作会社が倒産し劇場公開が1年ほど遅れ、公開館も極少数という不運があった模様。実に勿体無いかぎり。しかも同年に「ペット・セメタリー」が大規模公開されるという不運も重なる。息子を失った父親が禁断の一手に・・。って話でドラマの根幹が被るという最悪の事態である。映画はタイミングも大事ですね。