さみわん

ルパン三世 カリオストロの城のさみわんのレビュー・感想・評価

4.5
★これだけ有名な作品なので軽く内容に触れたレビューになります。思い入れも深く語り足りないですが、今はこれが精一杯。

宮崎駿監督の劇場版ルパン三世。原作のルパン三世はハードボイルド寄りで大人向けな作品だったが、本作は殺しを避ける性格など、ハードボイルド要素は抑えめにし、コミカルな演出を増やす事等で、女性や子供達にまでファンを広げるきっかけを作り、その後の劇場作品や今日までの作品展開に大きな影響を与えている。

動きのある作画からはやはり宮崎監督の才能が溢れ出ていて、カーチェイスや有名なジャンプのシーン等はもはや芸術だと思う。特に映画監督や同業者で、本作の"一コマ一コマの歪みが、繋げて観ると流れるように動き出す作画"の虜になった人は多い。

さて、ルパン三世のキャラクターで一番好きなのが次元大介なのだが、次に好きなのが本作の影のMVP、銭形警部だったりする。話の構造的にいつもルパンを取り逃しているイメージが強かった銭形が活躍する展開は、当時非常に新しく、原作者のモンキーパンチ先生も"銭形は宮崎駿さんの解釈がもっとも正しい"とお墨付きを与えている。

せっかくなので、私が銭形とルパンの関係性で好きなエピソードを一つ紹介したい。私達が知っているルパンの顔は、実は本当の顔では無く、変装だという事はご存知だろうか?これはルパン一族に伝わる"誰にも素顔を見せてはいけない"という掟があるからだ。次元、五ェ門、不二子にも素顔は見せていないし、彼等も変装だとは気づいていないだろう。ただ、それに気付いている人物が一人いるのだ。そう…それがルパンを長年追い続ける男、銭形だ。銭形とルパンは東京大学の先輩、後輩の関係の時からの長い付き合いだが、ルパンの顔が偽物であり、声も作った物であり、男が女かすらわからないとルパンに迫り、その変装を剥がそうとした事がある。やはり…ルパンを捕まえられる男がいるとしたら、それは銭形しかあり得ないだろう。全く、警察なのに私の大切な物を盗んでいきやがって…。
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