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アカルイミライの盆栽のレビュー・感想・評価

アカルイミライ(2002年製作の映画)
3.7
明確な"明るい未来"はあるのだろうか


 これまた摩訶不思議な黒沢ワールド。クラゲを軸に展開される『ニンゲン合格』を彷彿とさせる寓話のような本作。映像そのものからも伝わるように、今までの黒沢作品とは一味違う一面を持ち、従来の"呆気なさ"も備わっている。本作こそ彼の新境地なのかもしれません。

 本作が凄いのは、1シーン毎に特徴となる要素があること。唐揚げ、塩、刑務所、ダンボール、赦し、アカクラゲ。ほとんどが何かしらのメタファーなのではという感覚になって頭を使いながらの鑑賞。ですが、本作は純粋な気持ちで観た方がスッと得れる感動があると思います。まさに夢を見るような感覚で。

 雄二が夢で見た未来が実現したのか否か。そもそも約束された未来がないからこそ、"幸せ"を掴むことができるのではないだろうか。難しい問いです。

2024.5.24 初鑑賞
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