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アカルイミライのmndisのレビュー・感想・評価

アカルイミライ(2002年製作の映画)
3.3
高校生の時に劇場で観たが、当時マジで意味分からなかった。

神奈川の田舎のシネコンでもやるぐらいだから当時大規模に公開してたんだろうけど、これ絶対当たってないよな。。
ホラー映画が何作か当ててたのでその流れで当時は大規模公開になったのだろうか?

あれから20年以上経って改めて観ると、ある程度は理解出来た気がする。

オダギリジョーがほぼ新人で起用されていて、周りをキャリアがある浅野忠信、藤竜也で固めている。
オダギリジョーの演技が下手で初々しい。
その普通さが浅野忠信のヤバさとギャップになっており良い効果を生んでいる

黒沢清と浅野忠信って意外とタック組んでないんだな。今作と「岸辺の旅」、雑誌の付録の映画で「ココロオドル」というので組んだくらいか?

岸辺の旅でも幽霊役だったが、今作も幽霊としても出ている。


アカルイミライというのは皮肉として個人的には捉えました。
生きづらさ苛立ち、そういうものを抱えながらも、誰にも干渉されたくない浅野忠信という存在が、触れる事の出来ないクラゲであり、その存在がクラゲとしても若者としても増殖していく。そういう未来をアカルイミライと冷めたトーンで言っている。

藤竜也演じる父親は、その増殖していく様子を嬉しそうに眺めていたり、触れてしまったり、その危険さに気づいてないのが、世代間ギャップを感じさせる。
笹野演じる社長も若者の中にズカズカ入ってきて苛立ちをかうなど、この世代間ギャップが理解しあえない壁と立ち塞がる
主演のオダギリは、その両者の関係を見守る存在に思えた。


浅野忠信から秘めた暴力性が漂っていて怖い。

「嵐が来るかもな」からの家の中のカットが良い。両親はそっぽを向き、子供は階段を上がっていくカットで、家族がバラバラである事を1カットで見せている。

映画全体としては、とても地味である
服は謎に派手であるw
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