自宅で。
1985年のアメリカの作品。
監督は「暴行都市」のダニエル・スタインマン。
あらすじ
前作でジェイソンと壮絶な死闘を繰り広げたトミー(ジョン・シェパード「サンダーラン」)は精神を病み、森の中にある療養施設に送られる。そこでもジェイソンの幻影に悩まされるトミーだったが、一方その頃、周囲でホッケーマスクを被った謎の殺人者が現れ、人々を殺し始める。
コツコツと見続けているこのシリーズ、ようやく5作目。もう三作目くらいから観るのがなかなか辛いシリーズとなってきたわけだけど、この5作目意外にも楽しめた。
お話はあらすじの通り、今作では前作で生き残ったトミーがまさかの主役、前作の「スタンド・バイ・ミー」にも出てたコリー・フェルドマン(「キング・オブ・ゾンビ」)から成長して青年になってるんだけど、なんだか年齢設定以上に…めっちゃ老けてるwえ、普通にオッサンやんけ笑
で、このトミー、前作でのジェイソンとの戦いの後闇落ちの伏線があったように、冒頭からそのトラウマの影響からかかなり病んでる。ジェイソンの幻影に悩まされて日常的に怯えまくってふさぎこんだり、かと思ったら急にキレ出してものすごく凶暴になって暴力を振るいまくったり(見事な背負い投げを繰り出したり、足掛けからの相手のダウンをとってタコ殴りにしたりと、演じてる俳優さんの身体技能がものすごい高いのが面白い)と傍目から見るとめちゃくちゃ危ないヤツ。
そんなギリギリのラインのトミーが療養のために送られるのが森の中にある施設。ほぼほぼ児童養護施設みたいなところで、そこでのほほんとなんらかの葛藤を抱えている若者たち(プラスそこを経営する夫婦?と使用人のおじいちゃんとその孫)が暮らしているんだけど、まぁーなんというかここに住んでいる若者がわかりやすいくらいキャラクタライズされている。バカップルは必要以上にバカっぽく!ロック好き女子は髪金髪でポイントカラーに黒入れてゴスメイクしてたりと足し算方式で見た目と振る舞いだけである程度わかりやすく描かれているのが面白いんだけど、強烈なインパクトを残すキャラが2人。太っちょのジョイ(ドミニク・ブラスシア)と筋骨隆々のヴィクター(マーク・ヴェンチュリニ)だ。ジョイの方は甘いものをむしゃむしゃ食べて食べかすを口の周りに常につけてるような食いしん坊キャラでヴィクターは登場からずっと怒りをぶつけるような形で薪を割っているコワモテマッチョメン。どちらも施設の中では群を抜いてキャラ濃いめで、ははぁ、この2人が要所要所でジェイソンに派手にやられたり、戦ったりするのかーと期待して観てたら…。
いや、ジェイソンにやられる前に退場するんかーい!しかも、どっちも!!要はジョイが薪割りしてるヴィクターにウザ絡みして、それに逆上したヴィクターが後ろから斧でジョイを叩っ切だちゃうんだけど、まさかジェイソン映画で本物が出てくる前に退場者が出るとは…。予想外すぎてマジで一瞬夢オチ的なやつかと思った笑。
で、駆けつけてきた救急隊員の2人も1人はジョイの死体を見てキャーキャー言ってる女子を見て「そそるぜ」とか言っちゃう、めっちゃクズなやつでもう1人はその隊員を意味深に見つめるおじさん…。いや、脇もキャラ濃いんかい!!
あと、この映画他にも予想外なところがあって、途中でいきなり出てくる出自不明の浮浪者が出てきて「働くから飯をくれ」みたいなことを言うんだけど、その後何か意味深な行動(と言ってもバカップルのSEXを神妙にのぼいてるだけだが)をとっていて、こいつもジェイソンのなんらかのなにかかなと思ったら次の瞬間普通に殺されちゃう!!え、なに?行き当たりばったり笑?
といった感じで主要も脇も無駄にキャラ濃いめのキャラが多いんだけど、中でもジョイとヴィクターを超える勢いを見せるヤバすぎキャラが施設の近所に住む親子。初め夫婦かなーってくらい息子の方が老けてて、もう登場から面白いんだけど、中でも中盤、トレーラーパークでトミーと出会した息子の方がトミーに絡みまくって、キレたトミーにフルボッコにされるんだけど、よほどトミーにやられて悔しかったのか、家に帰った後「ママー!あいつに殴られたよー!」とキレ散らかしながら庭の周りをバイクで爆走する奇行っぷり笑!!そして、それに対してお母さんは「うるさいんだよ!」と言いながらほぼほぼ生の野菜を対して処理もせずに次々に鍋にぶち込む!!いや、インパクトありすぎ笑
で、結果息子の方はバイクで爆走中に殺人鬼にナイフで首ごと切られる「首なしライダーれみたいな死に様を遂げ、お母さんの方は窓からナイフで頭を刺されて手に持ったトマトを握りつぶしながら鍋に頭を突っ込んでアボン。いや、死に際まで強烈でした。
他にもトイレでクソしながらドア越しに彼女とイチャイチャする格好がモロマイケルジャクソンな兄ちゃんが出てきたりするんだけど、もうここじゃ書ききれない笑!!
で、そんなキャラ渋滞を起こす本作、もう後半にさしかかるとトミーの葛藤とかどうでもよくなってくるんだけど笑、相変わらず1人闇を抱えているトミー、周りでは次々と殺人が起こるのに肝心のジェイソンはすでに死亡し、死体は警察曰く灰になって復活不可能と…。
そうなってくると、ある程度映画を観た人ならたどり着く結末は1つ。そう、トミー=ジェイソンだった!!というわけですね。中盤からずっとトミー不在だし、終盤満を辞して出てくる偽ジェイソンは本物に比べると割と細身だし、はいはいそんなもったいつけなくてもトミーだってわかってるよーと思って観てたら…。
いや、違うんかーい!!トミー普通に出てきてジェイソンと戦っちゃうし!つか、そこまで役に立たねぇし!!いや、それまでの戦闘力どこいったん?トドメ刺しただけじゃねーか笑
じゃあ、偽ジェイソンの正体は?と言うと、これがまさかの人物!なるほど、だからあそこで意味深な間があったのね…。いや、普通にミステリーしてるわ!!
そして、偽ジェイソンの戦いの後、結局トミーは闇落ちしてジェイソン化する布石を残すラスト。ほぅ、最後の最後で今っぽさを残す感じも嫌いじゃない。
ということで書いてるテンションでわかる通り、意外に、つか下手したら一作目よりも楽しんじゃってる自分がいる笑。ここまで割と退屈な作品も多い中、今作は個人的に観れる作品でした。