マクガフィン

800 TWO LAP RUNNERSのマクガフィンのレビュー・感想・評価

800 TWO LAP RUNNERS(1994年製作の映画)
3.5
亡くした先輩が足枷となり、800m競技やタイムへの強い拘りに反するような、同性や血縁などの設定の取り留めなさが印象的。表層はサバサバしているが内面はドロドロ渦巻き、青臭い演技や演出もあるが、瑞々しく・甘酸っぱさを感じるようなテイストとの相性は悪くない。原作未読。

昼と夜の競技場の顔の違い、海・川・プール・国立競技場・工業地帯の情景など、殆ど人がいない空気感に好感。ひたすら走る長回しシーンやトラックに出入りする模様を繰り返すことも効果的に。
SEXすることによって、停滞する各々がステップアップするが、決して交わらない関係性が悲しくも。

終盤の最終レースに向かっていく感じが良く、高校生達にとっては、その瞬間であるレースの結果が非常に大事だが、レース結果が全てではないような視点と、結末を描かなくてもいいような纏め方がキモで、考え深い。