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沖晴くんの涙を殺して

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沖晴くんの涙を殺しての作品紹介

沖晴くんの涙を殺してのあらすじ

末期の乳がんを患い余命 1 年を宣告され、治療しないことを選択し故郷の瀬⼾内海の島に戻ってきた⾳楽教師の踊場京⾹(広瀬アリス)。 祖⺟の営むカフェを⼿伝いながら、⺟校の合唱部の指導をすることになり、そこでいつも笑顔を絶やさない不思議な⾼校⽣・志津川沖晴と出会う。 ある時京⾹は彼が津波で家族を亡くしたことを知るが、笑いながらそのことを話す沖晴に京⾹はなぜ笑うのか聞くと、彼は津波に流されたときに喜び以外の感情「嫌悪・怒り・哀しみ・恐れ」を失い、何も感じないのだと答える。 ところが、ある事件をきっかけに失われた感情の 1 つがうっすらと顔を出し始め、余命わずかな京⾹と、感情を失った沖晴の、感情を取り戻す不思議な⽇常が始まる。

沖晴くんの涙を殺しての監督

矢崎仁司

原題
公式サイト
https://okiharu-movie.jp/
製作年
2026年
製作国・地域
日本
上映時間
123分
ジャンル
ドラマ
配給会社
彩プロ

『沖晴くんの涙を殺して』に投稿された感想・評価

この映画は、先生と生徒の物語。
末期がんで余命1年を宣告された音楽教師の踊場京香は、
治療を選ばず緩和ケアの為に、故郷である瀬戸内海の島へ帰ってきた。
祖母のカフェを手伝いつつ母校の合唱部を、かつての恩師に頼まれ指導する中、
京香は、常に笑顔を浮かべる不思議で不気味な高校生の志津川沖晴と出会い、心を通わす。

​沖晴は過酷な体験をきっかけに「喜び」以外の感情である、
嫌悪、哀しみ、怒り、恐れなどの感情を失い、何も感じなくなっており、いつも笑ってばかりいた。
死を前にした京香と、感情を失った沖晴。
奇妙な巡り合わせで出会った二人が心を通わせ始める中、
ある出来事を機に沖晴の失われた感情の変化に僅かに兆しが見え始め、、、というお話。

鑑賞前は、広瀬アリス久々の主演作という事もあり、
広瀬アリスを堪能する為の映画だと思ってたら、良い意味で裏切られた。
スクリーンで強烈な存在感を放ち、作品を牽引していたのは、むしろ木戸大聖であり、まさかの「木戸大聖堪能映画」だった。
​
実年齢より10歳近く年下となる高校生役を演じた木戸大聖だが、その透明感には驚かされる。
「モブ子の恋」でも感じた可愛い系俳優のイメージを覆す、
確かな演技力を備えた役者であることを、強く証明した、
木戸大聖の演技見本市映画とでも言うべき映画だった。
​
いつもニコニコと笑顔を絶やさない沖晴は、物語の最初、どこか不気味なサイコパスのようにも映る。
(・∀・)
しかし物語が進むにつれ、機微な感情の揺れ動きが見事に表現され、感情豊かな七変化をじっくりと味わうことができた。
(^o^)(# ゚Д゚)(TдT)(゚∀゚)
死神に助命してもらう代わりに「感情を失う」という代償、
そしてなぜか超能力を獲得してしまう設定など、
余命モノとファンタジーが掛け合わされた独創的な世界観が展開された。
​特殊な世界観や設定を伝えるためか、説明的なセリフが多く見受けられた点は少し残念だった。
​また、沖晴を「死神」として邪険に扱う同級生たちのリアクションや行動には違和感が大きく、
物語への没入感を削いでしまう場面があった。

ファンタジーではあるものの、ヒューマンドラマ調なので、違和感は気にならなかったのだが、
​この映画はラストが良くなかった。
(゚Д゚)ハァ?
結末として挿入された「5年後」のシーンは蛇足感があり、
谷川俊太郎の詩を歌わせたいだけの演出は少々強引に見え、
作品の中で浮いてしまっていた。個人的には必要なかったと感じた。

ただ、テーマ自体は悪くなかった。
負の感情を失うことは、一見すると救いのようにも思えるが、必ずしも良いことだけではない。
怒りや悲しみといった負の感情が湧き上がることこそが、
人間として「生きている証」そのものであると今作は教えてくれる内容だった。
母親になれないまま死の運命に直面する京香が、
沖晴を擬似的な息子に見立て、彼に対して母性を開花させていく流れは、
切なくも温かいドラマ性を生み出していた。

登場人物の背景にある震災と津波の記憶。
「なぜ津波に呑み込まれても、自分だけが生き残ることになったのか」を模索する沖晴の姿を通して、
作品全体に「運命とは何か」という重厚なテーマと死生観や人生観が深く漂っている。
そうした事に考えを巡らせる機会を与える映画だった。

瀬戸内を舞台にした映画のロケーションは、今作でもやはり秀逸で、
美しい風景が物語の切なさを引き立てていた。
根岸季衣が演じる祖母(魔女さん)の作る料理がどれも本当に美味しそうで目を奪われる。
(゚д゚)ウマー
根岸季衣のおばあちゃん役にハズレなしといった感じが今回もして、根岸季衣自身が作品の素晴らしいスパイス調味料になっていた。
原作本を読むまでには至らなくても、劇中のカフェの料理はぜひ食べてみたいと思わせる魅力にあふれていた。
​感情と生に関する深いテーマ性を楽しめる作品だった。

追記
合唱部題材という点では「キリコのタクト」とダブり、
余命モノという点では、「ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記」とダブる偶然。
恐竜モノダブりやホラーだらけの現象は夏の風物詩として説明できるが、
先日のDVモノのダブり現象も含め、最近の映画作品の共時性度合いがハンパない。
(゚A゚;)ゴクリ

良かった演者
木戸大聖
広瀬アリス
根岸季衣
満島真之介
北乃きい
背骨
3.5
余命宣告された元教師と死神に「喜び」以外の感情を奪われた少年。母になりたかった女と家族を失った少年の二人だけにしかわからない感情と関係

明らかに違和感のある序盤の演出が、ファンタジックでフィクショナルなストーリーへの導入と後半のエモーショナルな展開への布石だとわかって納得

死を目前にして憂いを帯びた広瀬アリスが本当に魅力的。コメディエンヌとしての彼女も素晴らしいけど、こういう役も上手い。ずっと見ていたかった…
ぶみ
3.0
まだ「生きる」を知らない君へ

額賀澪が上梓した同名小説を、矢崎仁司監督、広瀬アリス主演により映像化したドラマ。
余命1年を宣告された主人公と、喜び以外の感情を失った高校生との交流を描く。
原作は未読。

主人公となる音楽教師の踊場京香を広瀬、高校生の志津川沖晴を木戸大聖が演じているほか、満島真之介、北乃きい、戸田菜穂、根岸季衣等が登場。

物語は、船に乗る京香の背中からのショットでスタート、次には、港で花束を抱えた高校生が登場し、花を海へ投げ入れたところに京香が声をかけると、高校生は海に落ちてしまうというビックリなオープニングとなっている。

その高校生がタイトルにもなっている沖晴で、京香が助け出すと、ずぶ濡れの中、腕も怪我しているのにも関わらず笑っているという、何とも奇妙な佇まいにこれまたビックリ。

実は、京香は末期の乳がんにより余命一年を宣告されていて、治療しないことを選択、音楽教師をしていたのだが、東京の学校を辞め、緩和ケアを受けるために祖母が住む瀬戸内海の島にやって来たという流れは、まさに余命モノのそれ。

以降、頭脳明晰でスポーツ万能な沖晴と出会った京香の姿を中心として展開、しかし、沖晴は、前述の大怪我が翌日には跡形もなく治っているという謎な設定となっていたのは、頭にはてなマークが浮かんだところ。

本作品の肝は、その沖晴で、彼は津波で両親を亡くした際に、人間が持つとされる5つの感情のうち「喜び」以外の「嫌悪」「怒り」「哀しみ」「恐れ」を失ってしまったと同時に特殊な能力を手に入れたとのことで、常に笑顔でいることにも妙に納得した次第。

すると、とある事件をキッカケとして、失われた感情を一つ取り戻すのと引き換えに、特殊能力が失われていき、この流れはホラーかファンタジーのようであり、そんな沖晴を木戸が好演、京香を演じた広瀬同様、彼が主役と言ってもおかしくないもの。

クルマ好きの視点からすると、満島演じる京香の婚約者が乗っていたのが、シルバーのトヨタ・ハイエースという業務用車のようなモデルで、個人所有するには似つかわしくなかったのは見逃せないポイント。

その大胆な設定に面食らいつつも、瀬戸内の美しい風景の下で繰り広げられる二人の物語に癒された反面、序盤からシーンの切り替わりに不自然な箇所が多く、そんな方向を向いて喋ってなかったよね、と思わせるような編集がノイズになっていたのが残念だったとともに、終盤のエピソードがあまりにも拙速かつ観ていて恥ずかしくなるような演出だったのは蛇足に思えてしまったものの、単純な余命モノでは終わらないぞという意気込みは感じられ、独特の不思議な雰囲気を、公開翌日のレイトショー、まさかの貸切で味わうことができた一作。

確かめたかった、今度は何がなくなったか。

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