戦前の活気に満ちた浅草の風景や、そこに住まう人々の生々しい生活や空気感を見ることが出来る貴重な作品(原作で描かれている不良グループや悪所は省かれているけど)。そしてそこで派手に遊ぶ客やきれいに着飾った店の娘より、主人公たち流しの芸人など隅でひっそりと生きている人達をメインにして撮っているのが成瀬監督らしい。
話は芸人として働きに出ている長女と次女、姉二人とは対称的に親から可愛がられる三女の恋愛あり家庭事情ありのドラマがゆったりペースで描かれるので途中から飽きてしまう。ただラストのニューシネマみたいな展開にびっくり。
成瀬監督トーキー第一作のためか、台詞の言い回しや音の使い方が若干ぎこちないのが気になる。
