山中潤一official

ONE PIECE ワンピース THE MOVIE エピソード オブ チョッパー プラス 冬に咲く、奇跡の桜の山中潤一officialのレビュー・感想・評価

2.8
この映画はワンピースの名を借りた"感動ポルノ"です。

原作厨なのでなぜそこをifとして改変したのかが理解できない部分が多過ぎるんですよね。

チョッパーとヒルルクとくれはの出会いを丁寧に描きすぎだと思うんですよ。
あと15分くらい短くできただろって乱暴にも思ってしまうわけで、
丁寧に描いてほしかったのは旅立ちのシーンなんですよね、
短過ぎないか?

それに、戦闘シーンをもって多くもって来て欲しかったんですよね。
サンジとナミは仕方ないにしても、
それ以外は戦えたと思うんです。

ヒルルクが死ぬシーンに駆け付けたチョッパーを止めるドルトンが変身して全力で止めることと、
正気を失って"バケモノ"になってるチョッパーがその涙で正気を取り戻すことと、
その正気を失った最大力を止めるドルトンでさえ、ワポルの力は大きく脅威だと全てを説明するのにドルトンが変身することがとんでもなく重要なのに、なぜたったそれだけの描写を無視したのか。

ラストシーンの一味が山を降りるシーンをなぜ街の連中が目撃せず、ハイキングしてるファミリーが見てコメントするんだよ。
雪崩起きて数時間後の雪山だぞ、ありえないだろ。

ムッシュールがいたことや
エニエスロビーを終えたあとにナミが体調崩すってパラレルストーリーはめちゃくちゃいい導入だと思うんだけれど、

手配書ルフィ―3億ベリー、
トータルバウンティチョッパー抜いて7億ベリーの海賊が来てるって時点で話題にならないわけがないし、
原作では3000万でとんでもない悪党だとかなんとかくれは言われて幕を閉じるドラム王国編なわけです。

その10倍以上の状態の海賊が来ていて、
チョッパーの能力も原作とは違う
もっと派手な活躍で良かったんじゃないかなって思うのよ。

アラバスタを救い、空島に行き、ロビンを救い、メリーを失い、サニーを迎えた状態の一味なわけですよ。
このあとスリラーバークに行くんだろうけれど、
さすがにチョッパーの心意気が止まりすぎてると思ってしまうのよ。

どれだけの時間がこの原作との差にあるのかわからないけれど、
パラレルだからってチョッパーはあくまで一味に出会ったから強くなりましたって解釈は、無理がありすぎないかって思うの。

まぁそういった部分は、この映画が伝えたい部分とは関係ないところだと思うんだけれど、愛が足りないなぁとは思うわけです。

戦闘シーンを増やすとかはたった1年間の制作期間では無理だと思うからこれで良かったとしても、
シナリオやセリフや展開に関しては、
逆に行程減らせたと思うんだよね。

ベースの話はこのままでいいので本当につくりなおして欲しいと思う。
オマツリ男爵並みに吹っ切れて、他の監督がワンピースを独自解釈して作りましたってくらい振り切ってくれていた方が良かった。

エピソードオブアラバスタみたいな明らか2時間では収められないクソみたいな映画もあってあれも作りなおして欲しいけれど
(まぁあれはあれで希望の光は皆無だが)、

この映画は本当に惜しいからこそ悔しい。
みのもんたの声優最高過ぎるし、本当にすげぇよ。
初見みのもんたって分かってても頭が追い付かなかったもの。

キャスティング本当に謎だけれど、
最高のキャスティングだと思う。

あ、そうそう。
あとね、チョッパーの泣くシーンがたくさんあるんですよ、この映画。

あのね、「うるせぇ行こう」で泣く声(このシーンちょっと長すぎな)と
桜見て泣くシーンの声が原作と逆だと思うんですよね。
それ意味ある?って思うし、原作の方が全然いいと思う。

絵は線が細くて好きです。
ビビのセリフをロビンが補ってたりするのもとってもいい。

だけれど、ビビの「船長失格」ってセリフを言われるルフィ―のシーンが無いままに土下座する改変は原作厨としてはモヤるけれど、
映画としてはとてもシンプルでいいとも思うけれど、

海賊なのに聞き分け良すぎね?
しかもキャプテンが?

あれはビビが王女だからってのがあったわけで、
じゃあ、この映画のあのシーンで少し回想するのは病床に倒れてるナミを想うだけでなく、アラバスタを救ったビビを思い浮かべるべきだろ土下座の前に。

パラレルとしてワンピースの別の世界線をこうして見せてくれるのは本当に嬉しく楽しいけれど、
やっぱり世界線が違くても、
変わらない点はもっと詳細にあるはずなんだよ。

愛がほしかったなーほんと。

この映画を機に尾田っちが"ワンピースフィルム"シリーズに転換してくれたのは本当に良かったと思う。

この映画の主題歌のドリカムの「またね」もなんだか、
映画ドラえもん的に感じてタイアップしたって感じの曲だもんな。

てか、誰と"またね"なんだ?
再会を喜ぶような映画じゃないだろこれ。
様々な旅立ちを歓ぶ映画だと思うんだけれど、
どんな解釈すれば"またね"で泣けるんだ?

またこの"チョッパーの出会い"と出会えての喜びってことなら、
第4の壁超えすぎセンスじゃないかなー

だから、この映画まではまだまだ子供向けの映画だったんだよな。
子供向けってめちゃくちゃ嫌いだわ。
子どもの感性舐めすぎだろほんと。

子どもほど大人以上に愛に敏感なんだから、きちんと作品作らなきゃならんのに。