ブラックユーモアホフマン

怪談かさねが渕のブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

怪談かさねが渕(1957年製作の映画)
4.4
いや〜古典的な怪談もやっぱいいね!ワクワクするね!

今まで日本の怖い映画と言えば90年代以降の所謂Jホラーばかりを観てきたけど、いずれは必ず古典的な怪談映画も観なければと思っていた。
実際に観てみると、日本のホラー表現の歴史と伝統の流れがよく分かって面白いし、正直ちょっと舐めてた。ちゃんと怖い。

Jホラーも全くそれまでと違う新しい恐怖表現というのではなくて、ちゃんと日本古来の怖がらせ方の歴史の上にあるんだということを再確認できた。
その上で、古典的な怪談噺が業深き人間の怖さを描いているが故、むしろ生きてる時の方が怖くて、幽霊になってしまったらもうあんまり怖くないのに比べ、Jホラーは、生きた人間が怖いのは当たり前で、あくまで死んだ後、幽霊こそが怖いのだというところに挑戦しているのが、偉い。とにかく偉いと思う。

【一番好きなシーン】
新吉がお久のいる二階へ行くと、襖がすーっと開いて幽霊か!?と思うと普通に女中で、しかし茶が三つ出されるところ。