怪談かさねが渕の作品情報・感想・評価

「怪談かさねが渕」に投稿された感想・評価

mitakosama

mitakosamaの感想・評価

3.2
中川信夫版の累が渕。累が渕は鴈治郎が宗悦を演じた安田公義版が至高だと思うが、今作も負けず劣らず面白いと思う。

基本的な設定は一緒。盲目の金貸し宗悦が旗本に借金の催促したら斬り殺されちゃう。旗本も呪い殺すが、その後宗悦の娘と旗本の息子が知らずと恋仲になるのも恨むとう展開。

安田版は鴈治郎の宗悦が全編に渡り祟り続けたのに対し、今作は後半に宗悦の影響は薄くなる。
その代わり、宗悦の娘・豊志賀の新吉ヘの嫉妬からの恨みがメインになる。

タンスから落ちた三味線のバチが顔に当たっただけで、豊志賀の顔面半分がただれ崩れてしまう。いやいや呪いの不確定要素があるにしても大けが過ぎでしょう!
この辺の顔が崩れる女性の怖さは、完全に四谷怪談のお岩さんだね。それ故にお岩さんの亜流の様な映画になってしまった感もある。
また『宗悦殺し』と『豊志賀の死』で前後別れてしまった印象もあるね。

豊志賀の良い人になる新吉が、大人しい系の超善人。朴訥過ぎる商店の番頭で、店の娘との微妙な三角関係。

脚本は月光仮面の川内康範だったんだね。所々の演出の怖さは流石中川信夫だと思う。
恨みに憑りつかれた女と男

東海道四谷怪談に非常によく似た映画。
比べて観てみるのも面白い。

深見新左衛門の屋敷へ貸金の返済を催促に向かった宗悦は、返済を断って腹を立てた新左衛門に殺されてしまう。宗悦の死体を屋敷裏手の累が渕に捨てる。宗悦の亡霊が現れるようになり、新左衛門は累が渕に引きずり込まれて死んでしまう。物語の舞台は、この20年後の話となる。主人公は新衛門の息子、新吉。お久と結婚するはずだったが、三味線の師匠豊志賀に惹かれていき・・・・。

愛する者に裏切られ、容姿も醜く変貌する。お岩さんに似た展開。四谷怪談もそうだったが、鏡で自分の醜く腫れあがった顔を覗くシーンは恐ろしい。今作は、鏡ではなく水鏡を覗き込む演出。水滴が落ちてから波紋が広がり、波紋から浮かび上がるその姿に恐怖する。白黒なので恐怖が倍増しており、幽霊となった女は夢に出てきそうな恐ろしさ。ジメジメと追い詰めていくその姿が脳裏から離れない。

恐怖演出は四谷怪談同様、カメラワークが抜群で観るものの心をつかんで離さない。この世界観に憑りつかれてしまう。人に恨まれることをすれば必ず自分の元にかえってくる。なるべく、悪いことはしないようにしよう。ジメジメしたこの時期、怪談映画を観て涼しむのもいいかも。

累が渕には恨みが沈んでいる。
あなたのすぐ近くにある川にも、もしかしたら・・・。
そっと、顔を覗き込むと向こう側に引きずり込まれるかもしれない。
くれぐれもご注意を・・・・・。

レンタル
イシ

イシの感想・評価

-
歌舞伎の怪談モノ原作。自責の念からいろいろな人に女の霊を見てしまう主人公の話。
見てるあいだは情念がいっぱい表現されてんなーと思ったけど、見終わってみると結構軽い気も。なので、あんまり恐ろしくもなかったかも。
サイレント時代のアメリカ映画にあるモンスターもののような雰囲気もあった。
マンタ

マンタの感想・評価

2.0
主人公の男に腹が立って楽しめなかった。若杉嘉津子の演技は美しかった。
歌舞伎等で知られる三遊亭圓朝の「真景累ヶ淵」を川内康範が脚色、
怪奇映画を得意とする中川信夫が監督したもの。

二代にわたる怨念が化物となって現れる。
因果応報の業に因る悲劇はこの監督向きである。
かなり脚色されているので、圓朝の世界そのままではないが、
幽霊より怖い人間の業を、わずか66分の中で、
上手く映像化して成功しているように思う。
かなり四谷怪談に似せた展開になっているけど、個人的にはこちらの方が好み。
主体性がなく優柔不断で、流されるままに流れていく色男がかなり迷惑で腹立たしい。「うるさいなぁ…」以外に本音が見えてこないのが怖い。まあ、ここまで呪われなければいけなかったかは微妙だけど。
sadaco

sadacoの感想・評価

4.7
三遊亭圓朝の真景累ヶ淵は、怖すぎて読了に1年半もかかってしまった。もともと長い話だけど、原作に劣らないおどろおどろしさや艶っぽさでこの尺で収めてるのは凄すぎる。ライティングキレッキレ。新吉のもっとなしくずしな様子を見たかったかもしれない。
この監督が撮る遊郭観たい。
『優柔不断主人公』『身分違いツンデレお嬢様』『エロ熟女』『丹波哲郎』と伝統芸能の結晶のような映画である

四谷怪談ほど恐怖演出は洗練されていないが、師匠を載せた籠の後景にサラっと按摩を歩かせたりハッとする演出が随所にある
ひどい目に遭う主人公の名前が「新さん」なので、自分のことのようにビビる。のちの万里昌代が「万里昌子」名義でチョイ役で出ている。美人なので目立つ。
t

tの感想・評価

4.3
素晴らしい面白さ&恐さ。
「東海道四谷怪談」前年の作品で、若杉嘉津子がお岩さん的な役割だったり、ホラー演出も似通っているが、個人的にはこちらの方が恐い。ラストの累が渕のシークエンスは鳥肌の連続。
2代にわたる憎悪の継承譚であり、男女の三角関係も交えつつ66分に収める中川信夫の技量。
そして撮影がとにかく素晴らしく、その流麗から宮川一夫か?と思ったが平野好美という方らしい。ネット情報によると「西鶴一代女」も担当しており宮川もその腕前を賞賛していたとの事。
あと北沢典子さんが非常に可愛い。
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