ポンコツ娘萌え萌え同盟

素晴しい哉人生のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

素晴しい哉人生(1924年製作の映画)
4.0
第一次世界大戦後に、物価の上がるインフレなど貧困な時代のドイツを舞台に、食料がカブばかりと貧困な家族と共に一組のカップル(ポールとインガ)が描かれている。

一組のカップルが歩むストーリーとは別に、ただでさえ貧困の世の中が酷くなっていく様子が多々描かれているのとは別に、インガのセリフに「人生はなんて素晴らしいんだろう!」的な台詞が度々出てくるのが印象に残る。

正直ポールが病気を患ったりインフレで肉の値段が目の前で値上がり、折角のじゃがいもを奪われたり決して人生幸福ばかりでないしむしろ不運な点の方が大きい。
だけどその中にポールとインガの愛と幸福を垣間見る。
貧困の中で描かれる素朴で小さい幸福は幸福の正体そのものに迫るものではなく、むしろ極めて普遍的な幸福を描かれているのが好印象的だった。

本作の幸福に当たるのはやはり二人の"愛"の部分が大きい。インガの結論はそれが非常に直接的だ。
「愛は目をくらます」的なセリフのあとに背景真っ暗だけどポールとインガの二人のみが映るのが特に印象に残るが、こそらくここが本作の象徴とも言えるだろう。