アヘンで酩酊状態になると幻視をするアデレード警部が切り裂きジャックの謎を追うサスペンス。
19世期ロンドンの貧民街や阿片窟、フリーメイソンや王家にまつわる陰謀など退廃的な要素がモリモリで、雨と夜のシーンが多く、薄暗い空気がとても好き。
殺人のシーンは直接見える部分はないものの、なかなかエグいシーンもあるので苦手な方は注意。
ストーリーは結構面白い筋書きだとは思うのに、ちょっと起伏が少ないかな。
ロマンス要素も控えめ。ビターで切なくて、私は好みだったけど、期待した人には物足りないかも。
いまいちかなーって思う部分もないではないけど、それらを置いて何よりジョニー・デップの憂いを帯びた美しさが凄まじいのでなんかもう全部許してしまいたくなる。
伏し目がちに俯いているだけで、ため息が出るような麗しさです。それが、全体の陰鬱な雰囲気にも一切浮かないのが凄い。
癖とユーモアのある役も良いけど、こういう影のある役もいいなぁ。
