TaiRa

鴛鴦歌合戦のTaiRaのレビュー・感想・評価

鴛鴦歌合戦(1939年製作の映画)
-
正月だし楽しい映画観ようと思ってこれにした。準備から撮影まで2週間弱で作ったと知ってシンプルに驚いた。

ちゃちゃっと作ってこのクオリティってのがヤバい。マキノにとって113作目(監督13年目)って時点でレベチの早撮り。当時のスタジオシステムを鑑みても凄いと思う。登場人物の名前がほぼ役者の名前だったりして適当なのも良い。片岡千恵蔵が市川春代と痴話喧嘩しながらイチャつくラブコメ要素がモダン。役者の魅力が全体的に爆発してて、演出の上手さを実感した。台詞の発し方とかテンポ感とか何もかも良い。ディック・ミネのお殿様とかアホほど軽薄だし、家来が和楽器構えて演奏始めるとスウィングジャズ流れたりする音楽ギャグがイケてる。撮影が宮川一夫なのでカメラワークとかもカッコいい。ドリーで流れる様に見せるショットがミュージカルのテンションを上げていく。引き/寄りの塩梅も心地よい。制作都合上シンプルな映画で、場面も大して多くない。群像劇で細かいパートを次々と展開していって飽きさせず、惚れた腫れたの恋愛劇を展開する。それで70分ノンストップだから楽しいに決まってる。千恵蔵よりも志村喬の方が年下で、二人とも30代中盤というのがヤバい。この時、マキノと宮川一夫が31歳。役者含めみんな若い。戦前日本映画界の勢いって改めて凄いね。
TaiRa

TaiRa