千利休

鴛鴦歌合戦の千利休のレビュー・感想・評価

鴛鴦歌合戦(1939年製作の映画)
4.4
一部のシネフィルから熱狂的な支持を得ているカルトムービーとのことで鑑賞したところ、本当に素晴らしい作品であった。なにより、三十年代の邦画なのに、ちゃんと台詞が聞き取れる。また、戦意高揚作品が量産されていた時代にも関わらず、明るく愛の素晴らしさを説く映画を作った監督の映画人魂には感極まるばかりだ。勿論、そのようなメタ的要素だけでなく、作品としての完成度も頗る高い。米国本場のミュージカルを高次元で再現していながら、和の要素も忘れていない。歌もキャッチーだし、最初から最後までひたすらにポップである。ショットも芸術的だし、あらすじも凝られている。全く非の打ち所がない、素晴らしい作品であった。
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