BS録画にて鑑賞。
数十年という時代をへた過去の有名作品には、単純に分ければ「さすが名作と言われるだけのことはある」と「あの頃はこれで良かったんだろうけど」とがありますが、これは後者ですね。
ビリヤードをめぐる男同士の闘いと、後半は女との関係も入っていますが、今鑑賞して特にこれといったところがあるとは思われない。ビリヤードのルールや勘所が分からないということもありますが、何より、「あの相手はこういうところが強い(弱い)から、こちらとしてはこういう対策をたてて」といった知的な駆け引きが見られないところが致命的でしょう。
前半で言えば、要するに主人公は長時間に及ぶプレイと酒の酔いに負けたわけで、きわめて単純な理由で敗北したに過ぎない。ビリヤードならではの技術的な問題が出てくるわけではない。
ひとりひとりの俳優には味があるし、女性との関係もちょっと変わっていて面白い部分もありますが、作品を通して見て有機的に全体がつながって観客を惹きつけ納得させる映画になっているかというと、疑問。
当時としてはビリヤードの映画が珍しかったから受けたのかな、と思いました。