北野武監督がオールタイムベスト10で度々挙げている一本(幼少期に兄と観に行った思い出の映画との事)。イタリア・ネオリアリズモ出身のピエトロ・ジェルミ監督主演によるポピュラーな家族ドラマ。
50歳の鉄道員アンドレアとその末っ子サンドリーノを中心に、戦後南イタリアのある家族の危機と和解のドラマを描く。
サンドリーノ役(当時8歳)の芝居が器用すぎてコワいくらいだった。イタリアの労働者を描いているが、作風も制作年代的にもネアレアリズモの範疇ではなく、大衆向けの良質な家族ドラマだった。邦画で例えれば山田洋二監督のような感じ。
良心的な作品とは思うのだけれど、正直言って現在の自分には物足りなく感じた。ひねくれた映画を観すぎているからかもしれない。子供のころに観ていたらもっと感動したと思う。