煙草と甘いコーヒー

マイ・バック・ページの煙草と甘いコーヒーのネタバレレビュー・内容・結末

マイ・バック・ページ(2011年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

監督の山下敦弘、脚本の向井康介
ラジオで大根仁がゲストに二人を呼び、絶賛していた。

当時を彷彿させていると思われる美術、衣裳に、フィルムでの撮影で、あたかも古い映画なのかと思えてしまうほど、世界観がつくられていた。お見事。

ところどころで使われる長回し。
しかし、見ている側が意識しない限り、1カットの長さなど気付かないような、自然な、そして必要と思える使い方、撮り方だった。

舞台である、全共闘運動とやらが行われている東京、ときどき京都。
ほぼ分からないし、なんとなくしか知らない。
重要さも感じられない。
ただ、昔は尖ってた奴が多かったんだなと、改めて思う。

農民にしろ、商人、職人、武士にしろ、ケンカ、口論、殺し合い、、、
その存在が、もっと身近にあったと思われる、古き日本。

沸点が低いのか、通常の温度が高いのか
はたまた、今と大して変わらないのか、、、

それに比べ、人付き合いすることをビビり、相手の目、周囲の目を気にし過ぎてしまう現代。
判断基準が、自分の欲求よりも、周囲からの眼差し、評判だったり。

民族性というものが、拭えないほど染み付いているものならば、今も昔も日本人は変わらないのか。それとも、戦後と戦前ではあきらかな何かが違うのか、、、
気にはなれどな、特に調べる気力はなく、、、
今後読むもの、見るもので、それとなく学んでいければいいや。

妻夫木がラストに流した涙の理由が分からなかった。

まさかないとは思うが、本編中に出てくる外国の映画を見ていなければ分からない感情なのか。
やっぱり、それはない気がする。
ごく一般的な感情の一つのはずなのだが、それが何なのか、、、
感じ取れない自分を恥じるべきなのか、今の自分には理解できない難しい感情なのか、それとも映画が表現し切れていないのか、、、

なぜ泣いたのか

2回目を見ることはないとは思うが、将来見たとき、その理由がわかるようになっていたいと思う映画だった。