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ル・ミリオンのsonozyのレビュー・感想・評価

ル・ミリオン(1931年製作の映画)
4.0
ルネ・クレールのトーキー2作目。
モンマルトルを舞台に、当選した100万フランの宝くじを巡るミュージカル・コメディ。90年も前の作品です。

モンマルトルのアパートの屋根裏部屋をアトリエとしてシェアして暮らしている売れない画家のミシェルと、親友の彫刻家プロスペル。

ミシェルは家賃や食料代も滞納中の借金まみれだが、向いの部屋に住むバレエダンサーのベアトリスと婚約中。
更に浮気症で今日もモデルのワンダとイチャついているダメな男。
今日も借金の取り立ての人々に追いかけられていたが、プロスペルが新聞を手に「100万フランの宝くじが当たったぞ!」と失神気味に登場。
2人がそれぞれ買っていた宝くじの番号を書いたメモを確認するとなんと当たったのはミシェルだった。

宝くじの現物を確認しないまま、気が大きくなったミシェルは酒やら頼み、借金取りの人々もこれで回収できると一安心でミシェルのお祝いパーティーモードに。
界隈の人たちや新聞記者まで集まり大いに盛り上がっちゃう。

ミシェルは、宝くじはベアトリスの部屋に置いてきたジャケットのポケットの中だと思い出したのだが・・・

当選した宝くじ(が入ってるはずのジャケット)を巡っての、ミシェル、プロスペル、ベアトリス、泥棒集団、オペラ歌手らがからむ大騒動へ。

オープニングとラストをハッピーなダンスパーティーシーンで挟んでるのもいい。
サイレント映画時代のドタバタ喜劇な感じと、状況や心情を歌い込むミュージカルな感じがいいバランスの、人間味あふれる楽しい作品でした。
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