心臓病のため自宅内に軟禁されているイジメられっ子の少年が、世間を騒がしている渦中のネズミに同調していく。前作「ウイラード」のラストから物語が継続している、サスペンス映画。
前作のエピソードにより、人間に対して恐怖と怨嗟を抱くようになったネズミ「ベン」が、メインキャラとして登場。マイケル・ジャクソンの主題歌「Ben」の歌詞内容は、主人公少年の心情を代弁した内容になっている。
前作に引き続き、役者として登場するネズミたちの存在感が半端ない。人語を喋らないため、心情吐露をいっさいしないところがポジティブに働いており、人間に虐げられる側の悲哀と反骨が痛いほど伝わってくる。
世間のつまはじき者が、底辺部を生き抜くためにジタバタするという、ありきたりなモチーフだが、あえて深読みするとアメリカン・ニューシネマのネズミ版と捉えることが可能。ラストシーンは、思い返すたびに涙腺決壊するため、生活に支障をきたすレベル。