これは面白かった。
いい意味で裏切られた。
「ジョーズ」の公開を機に動物パニック映画が量産されたけど、本作はそれより前。パニック要素もあまりない。
系統としてはヒッチコックの「鳥」に近いかな。
主人公ウイラードは“精神年齢中学生"の27歳。登場数十秒でそのダメっぷりがわかる演出は見事。
母親と暮らす古い屋敷でのバースデイパーティー(母親も含め参加者は年配者ばかりでかなり妙)のシーンでまずその不穏な感じに引き込まれた。
息子ベッタリの母親も気持ちが悪いし、息子は息子であらゆる不満を周囲のせいにしているきらいあり。(この母子関係が1番のホラー)
寂しさを埋めるためネズミと心を通わせたまではよかったけど…結局それも“ルサンチマン“からの行動で、ネズミたちの王様になりたかっただけだったとしたら仕方のない結末だったかな。
本作の公開は「ポセイドン・アドベンチャー」とほぼ同時期。この頃のアーネスト・ボーグナインは目がギョロギョロで怖かったんだよね…。
ヒロインはソンドラ・ロック。
後のクリント・イーストウッド作品では表情に乏しくて全然良さを感じなかったけど、ここでは笑顔が可愛いくて魅力的。イメージが違いすぎて初めはわからなかった。
それにしてもネズミのベン…いい顔するなあ!
そこだけでも見てほしい!