福

コシュ・バ・コシュ/恋はロープウェイに乗っての福のレビュー・感想・評価

4.5
(男には)女こそが全て。と高らかに宣言する映画。
若い不器用なイケメンがいかに目の前の女を愛しているかということだけが96分間説明される。様々な苦難が2人を囲んでいるけどどれもほとんど説明されず、愛の苦難として阻むものに過ぎない。
タジキスタンでは内戦は依然続いていて死と隣り合わせの主人公らだが、それもこの映画では背景に過ぎない。真夜中も爆撃も「でも綺麗ね」というミラのセリフの通りある種男女関係を盛り上げるためのものとして消費されている。本当に凄くよかった。
 
2人が接近する発端も顔が良いから、だ。他には何もないと思う。お互いがどういう人間か理解することもなく勢いで二人はセックスをする。
この映画に美男美女は主人公二人を除いて出てこない。この感じはエロ漫画的で、凄く良い。作った映画監督が26歳というのもいい。
 
確かに男にとって都合がいい映画なのかもしれない。でもこの主人公は底抜けにいい男でイケメンなんだ。その事実だけが色んな閾値を下げてる。凄く残酷な映画なのかもね。
福