もりあいゆうや

風と共に去りぬのもりあいゆうやのレビュー・感想・評価

風と共に去りぬ(1939年製作の映画)
4.8
午前十時の映画祭で鑑賞。
映画史に輝くこの名作を恥ずかしながら初めて全編通して観た。
この作品を映画館で観れて良かった。
本編が始まる前と休憩中と終わった後に、それぞれ序曲、間奏曲、終曲とテロップが入り、真っ黒いスクリーンの中、数分音楽を聴かせる時間があって、そんな経験初めてだったから、もうそれだけでちょっと興奮で、それだけでこの作品を映画館で観た価値があるなぁって思った。

昔の映画だから(というのは理由になってないかもだけど)、クレジットが最初に出るんだけど、タイトルはこの後の4時間の濃密なドラマを予感させるように一際大きく画面いっぱいに横スクロールでどーんとこれでもかと堂々と出てくる。それが良い!
その後の前半の舞台であるタラの描写も、奥行きがある美しい大自然がスクリーンいっぱいに広がり感動する。

ドラマチックを体現したようなキャラクター、スカーレット・オハラを演じるのはヴィヴィアン・リー。
南北戦争から始まり、特に後半にかけての怒涛の展開を受けても、それでも力強く生き抜こうとする姿は美しい。

クラーク・ゲーブルが演じたレット・バトラーは、初登場のシーンから笑っちゃうくらい下品で脂べっとりな濃いおじさんだけど、それでも娘との一連のシーンは個人的に劇中で1番泣ける。

作品にユーモアをもたらしてくれたメイドのマミーもすごく良かった。
スクリーンに映り、何か発言するだけで面白い。
マミーを演じたハティ・マクダニエルは今作でアカデミー助演女優賞を受賞。
黒人初のオスカーらしい。

あと同じくメイドの少女、プリシーも良い。
とあるシーンで思わず「なにしてんねん!」って叫びそうになったけど。